JFK空港新ターミナル6、MoMAやMETとの連携を発表。オノ・ヨーコ作品も展示予定
ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で2026年に部分開業する新ターミナル6の到着ロビーに、メトロポリタン美術館など4つの世界的な美術館・博物館が提供するアート作品が展示される。同ターミナルにはANAなど十数社が乗り入れる予定。

ニューヨーク・ニュージャージー港湾局とJFKミレニアム・パートナーズ(JMP)は、ニューヨークを代表する4つの世界的文化施設とコラボレーションし、ジョン・F・ケネディ国際空港の新ターミナル6でアート展示を行うことを明らかにした。コラボに加わるのはニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館、アメリカ自然史博物館、リンカーン舞台芸術センターで、それぞれが所蔵する中から貸し出される美術品などがターミナル6の国際線到着ロビーの通路に展示される予定だ。
MoMAはアーティストのオノ・ヨーコとタッグを組み、オノの2019年の作品《Peace is Power(平和は力)》を土台にしたインスタレーションを制作。リンカーン舞台芸術センターは音楽、演劇、ダンス、オペラなど、同センターで上演される舞台芸術を表現した40メートル超の巨大壁画を展示する。アメリカ自然史博物館は注目すべき研究や科学分野の所蔵品を取り入れたインスタレーションを、メトロポリタン美術館は5000年にわたる世界の美術品を一堂に集めたインスタレーションを行う。
ジョン・F・ケネディ空港では、2017年から190億ドル(約2兆8000億円)を投じた大規模改修が段階的に進行中だ。総工費42億ドル(約6200億円)のターミナル6には10カ所のゲートが設けられ、うち6カ所は2026年にオープンが見込まれている。残る4ゲートは 2028年までに完成予定。
また、建築家のスタニス・スミスとJMPの協力で改修が進められている同ターミナルには、NPO団体パブリック・アート・ファンドのキュレーションによる19カ所の現代アートの常設インスタレーションと、ジャマイカ・センター・フォー・アーツ・アンド・ラーニングのキュレーションによる地元アーティストの作品展示が既に決まっている(後者は入れ替え制)。
ニューヨーク・ニュージャージー港湾局のリック・コットン局長は、今回の発表に関する声明でこう述べている。
「ニューヨーク屈指の文化施設とのコラボレーションで、世界中から到着する皆さんに、ニューヨークならではの体験を空港を出る前に提供することができます。また、アート作品のほかにも、新ターミナル6では最先端の建築やテクノロジー、ニューヨークを象徴するローカルフードやショッピングが楽しめます」
面積約11万平方メートルのターミナル6には、ANA、アビアンカ航空、キャセイパシフィック航空、ジェットブルー航空、ルフトハンザドイツ航空、スイス・インターナショナル・エアラインズなど、国内外の航空会社十数社が乗り入れる計画で、約4000人の雇用創出が見込まれている。なお、港湾局とターミナルの改修・運用を行うJMPはこれまでに、ラガーディア空港のターミナルやニューアーク・リバティー国際空港ターミナルAの改修も手がけている。(翻訳:石井佳子)
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