チームラボ ボーダレスでヨガレッスン! 心と体を整える没入体験をレポート
麻布台ヒルズがナイキとともに提供するウェルネスプログラムの一環としてヨガセッションが森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス内で開催された。ヨガを通じて瞑想状態に入り、空間内に描かれるアートを体験しながら心身を整えることをテーマとした本イベントをレポートする。
「Green & Wellness」をテーマに掲げ、「そこに暮らすことで人々が健康になれる街」の実現を目指している麻布台ヒルズは2023年11月の開業以来、コラボレーションパートナーであるナイキジャパンとともに施設内の各所でさまざまなウェルネスプログラムを展開してきた。その特別プログラムとして1月21日、国内はもちろん海外からの観光客にも大人気の没入型アートミュージアム、森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス内でヨガ体験が初開催された。
空間の境界を越えて来場者と呼応しながら変化していくアート群を楽しめるこの「地図のないミュージアム」は、視覚だけでなく聴覚や嗅覚にも訴える仕掛けで来場者の五感を刺激し、イマジナリーな没入体験に誘うアートコレクティブ・チームラボの「発明」だ。そこでヨガという瞑想体験をすることでどんな新しい自分に出会うことができるのか……。動きやすいウェアに着替え、不安と興奮が入り混じる高揚感とともに会場に向かった。
今回のセッションが行われたのは、チームラボボーダレスの「人々のための岩」がある作品空間。フロアと同じ色のヨガマットにも動物や植物などが織りなす作品世界が描き出され、開始前から自分という存在が床に溶けていくような感覚に襲われる。と同時に、この凝り固まった身体がついて行けるのだろうかという不安から、少し呼吸が浅くなっているのを感じた。
しかし、そんな心配は杞憂に終わった。ナイキのインストラクターによる目の前を移ろうアートをヒントにしたガイド──例えば「一輪の花になったように」という呼びかけ──に従い、呼吸を深め、ネコやウシ、そして戦士のポーズを取りながら腰や股関節のストレッチを行っていくうちに、緊張感やストレスはするするとほどけていった。周囲の視線を意識しなくて済む空間の暗さと香りや音も手伝って、進行すればするほど、自分の心と身体だけに集中しているのを実感できた。
チャイルドポーズを取り、アンジャリ・ムドラーでもう一度呼吸を整えると、1時間に及んだ初めてのヨガ体験は終了。なんとも言い難い深いリラックス感と幸福感が心身を満たしていた。
今回のセッションをともに体験した参加者の一人は、「空間全体に広がり、移ろうアートに導かれながら呼吸をし、体を伸ばしているうちに、作品と一体化しているような感覚を味わうことができました」と語り、また別の参加者は、「ヨガは経験したことがあったけれど、これほどまでに五感を刺激されるセッションは初めて。いつもよりもずっと深く呼吸することができました」と清々しい表情だった。
チームラボボーダレス内で同様のイベントが再び開催されるかどうかはまだ決まっていないということだが、ちょっと病みつきになりそうなイベントだ。ふわふわと軽くなった身体に嬉しくなりながら、満ち足りた気持ちで帰路についた。