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  • 2024.06.21

今週末に見たいアートイベントTOP5: マティスや藤田嗣治などモダンアート約150点が集結、野村佐紀子がモノクロで表現する「夢」

関東地方の美術館・ギャラリーを中心に、現在開催されている展覧会の中でも特におすすめの展示をピックアップ! アートな週末を楽しもう!

アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》 1928年、パリ市立近代美術館 photo: Paris Musées / Musée d’Art Moderne de Paris

1. TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション(東京国立近代美術館)

ラウル・デュフィ《家と庭》 1915年、パリ市立近代美術館 photo: Paris Musées / Musée d’Art Moderne de Paris

日本とパリ3館の約150点をユニークな切り口で紹介

パリ、東京、大阪という、それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の共同企画。3館のコレクションから、モディリアーニマティスマーク・ロスコ、 佐伯祐三、藤田嗣治森村泰昌など20世紀から現代にかけて活躍してきた110人のアーティストの作品が集結した。

本展では、初来日32点を含む約150点から、共通点のある作品でトリオを組み、構成するというこれまでにないユニークな展示を試みる。34のテーマを7つの章に分けて紹介することで、モダンアートの新たな見方を提案しその魅力を浮かびあがらせる。バスキアと佐伯のストリートアート対決や、藤田とマリー・ローランサンの女性像競演、ピカソと萬鉄五郎のキュビスム作品など、他では見ることのできない組み合わせは、アートファン垂涎だ。

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション
会期:5月21 日(火)〜 8月25 日(日)
会場:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
時間:10:00~17:00(金土は18:00まで、入場は30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合翌日休館)

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2.「ABAB閉店大大大感謝芸術祭」(上野下スタジオ)

上野下スタジオのフィナーレを飾る芸術祭

建物の老朽化などを理由に2024年6月30日に閉店するファッションビル「ABAB UENO」。その6階には、若手アーティストが作品を制作、保管、発表できる場として「上野下スタジオ」が開設されている。これまで35人が同スタジオで腕を磨き、アワード、ギャラリーでの展覧会などの夢を叶え羽ばたいていった。

同スタジオの閉館を前に、歴代のアーティストが集結して芸術祭を開催する。参加アーティストは(50音順)市原えつこ、Embeli Lea、國分莉佐子、グンジ、CON_、高橋文、田崎蟻、野﨑綾音、平澤賢治、布施琳太郎、増田義基、山田響己、米澤柊、盧曦航、渡辺志桜里。また、同館5階では石毛健太、磯村暖、磯崎隼士、小宮りさ麻吏奈ら、気鋭のアーティストによるドローイングをトレーディングカードにし、会場で自動販売機で販売する「Ddass Vol.1」も同時開催される。

「ABAB閉店大大大感謝芸術祭」
会期:6月5日(水)〜 6月30 日(土)
会場:上野下スタジオ(東京都台東区上野4-8-4)
時間:12:00 ~ 18:00(入場は30分前まで)
休館日:月~水


3. 野村佐紀子 個展「トロイメライ」(AKIO NAGASAWA Gallery AOYAMA)

野村佐紀子が提示する「夢」の世界

世界的に活躍し、今後の活躍がもっとも期待されるフォトグラファーのひとりである野村佐紀子の個展。男性ヌードをモチーフとした作品がよく知られているが、実際は、男性ヌードのみに限らず、風景、花、動物、老若男女のポートレートと創作は多岐に渡る。

本展は、撮影された時間や場所が異なる2つのモノクロのイメージを上下に組み合わせた、ドイツ語で「夢」の意味を持つ「トロイメライ」という名の作品群を展示する。特定のテーマを設定せず、組み合わせや、その過程で新たに立ち上がってきた意味を編集していく手法を使用した、野村のまた違った創作の一面を楽しんでもらいたい。

野村佐紀子 個展「トロイメライ」
会期:6月6 日(木)〜 6月29 日(土)
会場:AKIO NAGASAWA Gallery AOYAMA(東京都港区南青山5-12-3)
時間:11:30 ~ 13:00、14:00 ~ 19:00
休館日:日~水・祝


4. 磯村暖 「恐竜は人間に進化しませんでした」(SIGNAL)

磯村暖が投げかける「勝者のものさし」の不確かさ

東京を拠点に活動する美術家・磯村暖は絵画、彫刻、映像やインスタレーションなど多様な表現を駆使し、幅広い領域で活動している。

本展では、かつて世界の頂上にいた恐竜が絶滅し、太古の時代に弱者であった鳥類や哺乳類が現代社会において繁栄していることに注目しており、現代社会でマジョリティのルールやモラルを構成する「勝者のものさし」に疑問を投げかける。作品に登場する恐竜の胃石の存在を通じて、パラダイムシフトの可能性を問いかけ、私たちが持つ多様な可能性について考えさせる展示となっている。7月5日(金)18:00~関連としてDJイベントを開催する。

磯村暖 「恐竜は人間に進化しませんでした」
会期:6月11 日(火)〜 7月27 日(土)
会場:SIGNAL(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
時間:11:00 〜 23:00(土曜は18:00まで)
休館日:日月


5. 百瀬文 十年(タリオンギャラリー)

百瀬文が「現在」から問うこれまでの・これからの10年

百瀬文は、見ることと見られること、語ることと語られることの非対称性を映像によって自己言及的に問い直す作品を制作してきた。また、その場に存在するにも関わらず無いものとされてきた声や、それらを生み出す構造を扱い、近年はジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題にも取り組んでいる。

本展では、2014年6月に撮影された映像の素材をもとにした、この10年、あるいはこれか らの10年の姿について問いかける作品を披露する。映像には、群衆のなかで役務をまとった公的な身体と私的にひらかれた身体が、合唱詩にあわせてひとつに折り重なって映し出される。そこに現れるのはいままさに現実を成そうとする、それぞれの希いや求めを持って日々を生きる人々のビジョンである。

百瀬文 十年
会期:6月22 日(土)〜 7月21 日(日)
会場:TALION GALLERY(東京都豊島区目白2-2-1)
時間:11:00 〜 19:00
休館日:月火祝

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