ヴィクトリア・ベッカムが奈良美智やバスキアなどをキュレーション! サザビーズと豪華展示を共催
ロンドン・メイフェア地区、ドーバー・ストリートにあるヴィクトリア・ベッカムのブティックで、サザビーズとタッグを組んだ現代アートの展示が行われた。ヴィクトリアが選んだお気に入りのアーティストとパートナーシップの背景をお伝えしよう。
![](https://media.artnewsjapan.com/wp-content/uploads/2025/02/10163116/Victoria-Beckham-Dover-Street-Yoshitomo-Nara-1024x683-1.jpg)
ヴィクトリア・ベッカムがサザビーズのスペシャリストと共にキュレーションした展示が、ロンドンのドーバー・ストリートにあるブティックで行われた。セレクトされたヴィクトリアお気に入りのアーティストは、奈良美智、ジョージ・コンド、キース・ヘリング、フランシス・ベーコン、ジャン=ミシェル・バスキア、ジョアン・ミッチェル、ゲルハルト・リヒター、イヴ・クラインの8人。
著名インテリアデザイナーのローズ・ユニアックの手で最近リニューアルされたブティックに飾られた作品は、今後ロンドンとニューヨークのサザビーズがオークションあるいはプライベート・セールで販売する。8人のアーティストによる10点の作品は、2月5日から10日までブティックに展示され、無料で一般公開された。
ヴィクトリアは、2018年にもサザビーズとのパートナーシップでブティックにオールドマスターの作品を展示したことがある。アートプロジェクトに関わることについて彼女は、サザビーズにこう語っている。
「現代アートであれ、オールドマスターのような古典的な作品であれ、私はずっとアートにインスパイアされ続けています。2014年にドーバー・ストリートにフラッグシップショップをオープンしたとき、私にとって重要だったのは、アートとファッションを融合させた空間を作ることでした」
ヴィクトリアが夫のデヴィットとコレクションを始めたきっかけは、エルトン・ジョンが南フランスに所有する家のダイニングルームで「巨大なジュリアン・シュナーベル」の作品を見て感動したことだという。アメリカ人の画家で映画監督でもあるシュナーベルの「Sonanbul」シリーズを購入したベッカム夫妻はその後、草間彌生や奈良美智、ナン・ゴールディン、ダミアン・ハースト、トレーシー・エミンなどをコレクション。2人はアート・バーゼル・マイアミ・ビーチの常連でもある。
サザビーズのコンテンポラリー・キュレーテッド部門責任者、ヘイリー・ストッダードは、ヴィクトリアとのパートナーシップについて英ガーディアン紙こう述べている。
「アートの世界では、ファッションを取り込み、コラボレーションの可能性を探ることへの意欲が高まっています。(ブティックでの展示は)時に敷居が高いと感じさせるアートの世界に飛び込み、アートのことをもっと知るための良い機会だと思います。このようなスペースで現代アートを見るのは、美術館や威圧的な雰囲気のあるオークションハウスに足を踏み入れるより、ずっと魅力的ですから」
アートとファッションのコラボレーションは、近年さらに拡大中だ。ルイ・ヴィトンは村上隆や草間彌生とのコラボキャンペーンを世界展開し、ディオールも定期的にアーティストとのコラボを行っている。さらに現在、ルーブル美術館史上初のファッション展「LOUVRE COUTURE Objets d'art, objets de mode(ルーブル・クチュール アートとファッション)」が開催中で、45のメゾンやデザイナーによる作品の数々を鑑賞することができる。