ソーニャ・ユー(Sonya Yu)
拠点:アメリカ・ロサンゼルス、サンフランシスコ
職業:クリエイティブ・エージェンシー(フォー・ワン・ナイン)
収集分野:現代アート

ソーニャ・ユーはコレクションを始めた頃のことを、「何か1つの作品ではなく、アートの世界をより深く理解するようになったことがきっかけになりました」と振り返る。「そのおかげで、コレクターという概念とその役割が自分の中で整理されたのですが、同時に疑問を抱くようにもなりました。アート界のエコシステムについて理解が深まれば深まるほど、そこには矛盾や分断、噛み合わない思惑があることが見えてきたのです。結果的に私は、目的と責任感を持ってコレクションを続けることで、そこにどんな変化をもたらせるかを考えるようになったのです」
北京で生まれ、サンフランシスコのベイエリアで育ったユーは、フリーランスの写真家、不動産投資、ハイテク業界の事業開発・市場調査など、さまざまな分野でマルチに活躍してきた。現在ユーは、アーティストの支援に重点を置くクリエイティブ・エージェンシー、フォー・ワン・ナインの創設者として、人気時計メディアのホディンキー(Hodinkee)からドラッグクイーンのファニータ・モア、サンフランシスコのギャラリスト、ミッキー・メンまで、幅広いクライアントを持つことで知られる。彼女はまた、アートやカルチャー、トラベルなどのコンテンツを扱うMYLESマガジンの創刊にも携わっている。
ユーのコレクションには、ロバート・ゴーバーの彫刻、ミカ・ロッテンバーグの映像作品、ドミニク・ゴンザレス=フォルステルのサウンドインスタレーションなど、現代を代表するアーティストの幅広い作品が含まれている。彼女はまた、マーティン・ウォン、オスカー・イ・ホウ、ジュリアン・グエン、フェリペ・バエザのような「社会から疎外されたコミュニティに属するアーティストの作品」の取得にも力を注いできたという。最近の購入作品には、ピエール・ユイグ、フランク・ムーア、ユウジ・アゲマツ、レイチェル・ホワイトリードなどがある。
「私のコレクションは、私の価値観と美学を反映したもので、長年にわたる収集の中で生まれた糸が有機的に絡まり合ったものが土台となっています。特に深い関心を持っているのは(そして私の心情に近いのは)、エイミー・シルマン、ジャクリーン・ハンフリーズ、R・H・クエイトマン、タウバ・アウエルバッハ、メアリー・コース、エテル・アドナンなど、抽象画の領域で活躍する女性画家たちです」