9人の写真家が写す宇多田ヒカルの新たな肖像──「SCIENCE FICTION TOUR 2024 NINE STORIES」始動

宇多田ヒカルの全国ツアー「SCIENCE FICTION TOUR 2024」を、異なる写真家が独自の視点で切り取るプロジェクト「SCIENCE FICTION TOUR 2024 NINE STORIES」。写真はポストカード。

デビュー25周年を迎えた宇多田ヒカルの全国ツアー「SCIENCE FICTION TOUR 2024」を、現代を代表する9人の写真家が記録した写真集・写真展「NINE STORIES」が始動した。J.D.サリンジャーの短編小説から名を借りたこのプロジェクトでは、各都市の公演を異なる写真家が独自の視点で切り取り、写真という視覚言語を通じて新しいライブ写真の形を提示する試みだ。

プロジェクトには、木村和平、鈴木親、細倉真弓、川内倫子、森山大道、John Yuyi、Wing Shya、ホンマタカシ、野口里佳という現代を代表する9人の写真家が参加。それぞれの都市で開催された宇多田ヒカルのライブを、それぞれ異なるテーマを掲げて独自の視点で切り取った。

プロジェクトは、3月7日から30日まで東京・神保町のNew Galleryにて開催される写真展、3月21日に発売予定の写真集(9冊セットのBOX 15,000円、各写真家の単冊 各2,200円)、さらには、各写真家によるフォトTシャツ(7,700円)やトートバッグ(4,180円)などの限定グッズ(2月14日より予約販売開始、発売・発送は3月7日予定)で展開される。

また2月24日までは、写真集の刊行に先駆けた初のインスタレーションが大阪・万博記念公園 EXPO'70パビリオンにて開催されている。写真集に収録される作品のインスタレーションを楽しむことができ、一部初公開となる写真作品も展示される。

福岡公演:木村和平「覗見」|1993年、福島県いわき市生まれ。第19回写真1_WALLで審査員奨励賞、IMA next #6「Black&White」でグランプリを受賞。主な写真集に『あたらしい窓』(赤々舎)、『袖幕』『灯台』(共にaptp)、『IRON RIBBON』(Libraryman)など。
愛知公演:鈴木親「断片(Part of)」|1972年生まれ。1998年渡仏後、雑誌『Purple』にて写真家としてのキャリアをスタート。ISSEY MIYAKE、GUCCI、CHANELなどのコマーシャル写真も手がける。COLETTE(パリ)、MOCA(ロサンゼルス)、HENRY ART GALLERYなど国際展多数。代表作に『shapes of blooming』『SAKURA!』。
埼玉公演:細倉真弓「身体性」|立命館大学文学部、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な個展に「Walking,Diving」(Takuro Someya Contemporary Art)、「CELL(s)」(Sony Park Mini)など。写真集に『NEW SKIN』(MACK)、『Jubilee』(artbeat publishers)、『transparency is the new mystery』(MACK)がある。
宮城公演:川内倫子「溢光」|1972年、滋賀県生まれ。2002年に『うたたね』『花火』で木村伊兵衛写真賞受賞。2023年、ソニーワールドフォトグラフィーアワード特別功労賞受賞。主な著作に『Illuminance』『あめつち』『Halo』。2022-23年に東京オペラシティ アートギャラリーと滋賀県立美術館で大規模個展を開催。
東京公演:森山大道「関係性」|1938年大阪府池田市生まれ。1967年に『カメラ毎日』掲載作で日本写真批評家協会新人賞を受賞。サンフランシスコ近代美術館、テートモダンなど国際的な展覧会多数。ハッセルブラッド国際写真賞(2019年)、フランス政府より芸術文化勲章(2018年)を受賞。
台北公演:John Yuyi「自己投射」|1991年台湾生まれ。ポストインターネット世代のアーティストとして、アート、ファッション、SNSを横断する表現で注目を集める。GUCCIやKENZOとのコラボレーション実績を持ち、「Forbes 30 Under 30 Asia」にも選出。近年はスイスや英国、ベルリンで展示を行う。
香港公演:Wing Shya「カレイドスコープ」|1964年香港生まれ。カナダのエミリー・カー美術大学で美術を学ぶ。1997年、映画「ブエノスアイレス」で映画監督ウォン・カーウァイの専属フォトグラファーに抜擢。2006年、森アーツセンターギャラリーで個展を開催。以降、ニューヨーク、イタリア、香港など世界各地で展覧会を行う。
大阪公演:ホンマタカシ「同時性」|1999年、写真集『東京郊外』で第24回木村伊兵衛写真賞を受賞。著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社)。近年の作品集に『TOKYO OLYMPIA』(NIEVES)、『Thirty-six Views of Mount Fuji』(MACK)がある。
神奈川公演:野口里佳「存在」|1971年生まれ。埼玉県出身、沖縄県在住。カーネギー・インターナショナルやシドニービエンナーレなど国際展に多数参加。グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥー・センター(パリ)などに作品収蔵。主な個展に「予感」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、「不思議な力」(東京都写真美術館)。

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