瀕死状態のNFT市場で「Azuki(アズキ)」は好調。オーナーは44.5%の投資損失との最新調査結果
NFTの専門メディアNFTeveningが8月初旬に発表した報告書によると、2023年以降NFTの市場は急失速し、深刻な低迷状態にある。
NFT専門メディア「NFTevening」が発表した報告書は、Web3開発者向けにデータサービスを提供するNFTScan社が、自社のNFTデータインフラ上の5000を超えるNFTコレクションと500万件以上の取引について調査・分析したもの。
そこで示されたのは、NFTコレクションの95%が「ほぼ無価値」となり、平均的なNFTオーナーは44.5%もの投資損失を被っているという現実だ。
NFTの価値の算定基準には、X(旧ツイッター)上の活動、取引量、7日間の売上が用いられている。取引量がほぼゼロで、Xへの投稿がなく、7日間の売上が20件未満の場合、そのNFTは末期状況にあると見なされる。
また、NFTのドメイン登録日とXで最後に言及された日時から「平均寿命」を算定。それによるとNFTの平均寿命は約1.14年で、従来の暗号プロジェクトの平均寿命の4割に止まるという。報告書ではこう説明されている。
「寿命の短さは、NFTが著しく投機的であるという性質を反映している、急激な価格変動もあり、この目新しいデジタル資産は長期的な価値を維持することができない」
報告書によると、現在最も利益を上げているのはアニメ系NFTコレクションの「アズキ(Azuki)」で、その市場価値は投資額の2.3倍になっている。一方、「パジィ・ペンギンズ(Pudgy Penguins)」コレクションの購入者は、97%減という目もくらむような損失を被った。
NFT市場は、デジタル資産と投資の未来として称賛されてきた。しかし今、非常に大きな困難に直面していることがデータから明らかになったとして、報告書はこう結論付けている
「所有者の不採算率の高さ、成功したNFTコレクションとそうでないコレクションとの差の激しさ、そしてNFTの寿命の短さは、この市場が多くの人が期待していた金のなる木ではないことを示唆している」(翻訳:石井佳子)
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