マリーナ・アブラモヴィッチが3年ぶりにNFTアートを発表! アートを「より身近なものに」
パフォーマンスアーティストのマリーナ・アブラモヴィッチが、新たなNFTシリーズ「マリーナ・アブラモヴィッチ・エレメント」を発表する。「アート」「ライフ」そして「マリーナ・アブラモヴィッチ・メソッド」と題された3種類のNFT、計950点を通して、彼女の活動を振り返るという。

パフォーマンスアーティストのマリーナ・アブラモヴィッチが、非代替性トークン(NFT)アート「マリーナ・アブラモヴィッチ・エレメント(MAE)」を発表する。これは、デジタルアート・マーケットプレイスのTAEXと提携して制作したもので、アブラモヴィッチがNFTを手がけるのは2022年に発表された「The Hero 25FPS」以来3年ぶり。鑑賞者たちをアブラモヴィッチ独特の世界観へと誘うMAEは、イーサリアム上で公開される予定だ。
アブラモヴィッチとTAEXが共同で手がけた架空の物語「Legend」を基に作られたこのNFTは、彼女の哲学とこれまでの活動を、「アート」「ライフ」そして「マリーナ・アブラモヴィッチ・メソッド」と題された3種類のNFTを通して掘り下げたもの。各種トークンには静止画やループアニメーション、月の周期に合わせてリアルタイムで動く作品など、計950点のデジタルアート作品が含まれる。
MAEは5〜11月にかけてリリースされる予定。5月中旬に公開されるNFTシリーズ「アート」は、アブラモヴィッチが実践してきた芸術的試みの発展に焦点を当て、アブラモヴィッチがアーティストとして活動するようになった背景や、彼女の作品に登場するオブジェクトなどが取り上げられる。翌月に公開される「ライフ」では、彼女の作品に登場する場所などが、9月に公開される「マリーナ・アブラモヴィッチ・メソッド」では、自己発見を追求する彼女の姿を題材としたNFTが登場する見通しだ。これらのNFTは4月8日にロンドンのモコ美術館で展示されるといい、鑑賞者たちは「私と新たな始まり、そして私がこの世に生まれた理由」を目の当たりにするだろうと、アブラモヴィッチはアート・ニュースペーパーに語った。
これら3種のNFTを入手したコレクターは、11月に開催される「The Great Mint」への参加資格が与えられる。このイベントでは、アブラモヴィッチのアバターが登場するビデオアート作品や拡張アニメーションの作品が発表される予定だ。
デジタルアーティストのケヴィン・マッコイとテック起業家のアニル・ダッシュが最初のNFTを作ってから11年が経ち、アートの「商品化が加速し、富裕層しか手にすることができないもの」になりつつある時代において、アブラモヴィッチは「アートを身近なものにするための手段の一つ」として今回のNFTを制作したと主張し、こう続ける。
「時代は大きく変わりました。若い世代はテクノロジーを駆使して交友関係を築いています。テクノロジーを使って自分のアバターを制作することで、若い世代との間に新たな架け橋を構築できるはず。また、鑑賞者との関わりが生まれることで、非物質的なものをお互いのエネルギーに変えるためのきっかけを生み出せるのではないでしょうか」