植島幹九郎(Kankuro Ueshima)
拠点:日本・東京
職業:起業家、投資家、UESHIMA MUSEUM館長
収集分野:現代アート
いくつもの企業を立ち上げてきた起業家で、投資家でもある植島幹九郎が、本格的なアート収集を始めたのはつい最近、2022年のことだ。だが、彼はそれまでの時間を取り戻すかのように、猛烈な勢いでコレクションを拡大し、わずか2年で国際的なアーティストの作品を650点以上購入した。その植島が作品選びの軸としているのが、彼の言う「同時代性」だ。所蔵作家にはアグネス・マーティン、ルイーズ・ブルジョワ、アンディ・ウォーホルなど美術史上のビッグネーム、ゲルハルト・リヒター、村上隆、シアスター・ゲイツ、ダミアン・ハーストといった現代アートのトップアーティスト、そして日本の新進作家たちが名を連ね、2024年も既に40点の作品をコレクションしている。
植島は、日本における新しいタイプのアートコレクターになろうという使命感を持っている。あるインタビューで彼が語っているように、日本のコレクターが積極的に自分のコレクションを公開することは珍しい。しかし植島は、当初から自身のウェブサイトやインスタグラムで全コレクションを共有してきた、そこには、英語、日本語、中国語による各作品の詳細な解説も添えられている。そして2024年6月、その取り組みを発展的に拡大し、東京に私設美術館UESHIMA MUSEUMを開館した。
渋谷教育学園の植島タワーと名付けられた建物にあるこの美術館の面積は、約1400平方メートル。事前予約制で一般公開され、植島の所蔵作品をローテーションで紹介する。その目的は日本で現代アートへの関心を高めることで、学生や若手キュレーターを対象としたインタラクティブな教育プログラムも用意されている。オープニング展は5つのテーマで構成され、UESHIMA COLLECTIONから選りすぐった74点が6つのフロアに展示されている(2024年12月末まで)。
今年初め、植島は英字紙のジャパンニュースにこう語っている。「世界中の人々とアートを分かち合いたいという思いから、自分のウェブサイトやソーシャルメディアでコレクションを紹介してきました。それと同時に、初めから広く一般の人々がアートを自分の目で見ることができる場を作りたいとも考えていたのです」