グッゲンハイムが新ロゴを公開! アブダビが加わり、いよいよ世界4館体制に
11月6日、現在ニューヨークのグッゲンハイム美術館をはじめ世界3カ所に美術館を擁するソロモン・R・グッゲンハイム財団は、2026年のグッゲンハイム・アブダビのオープンを視野に入れた共通ビジュアル「ビジュアル・アイデンティティ」を発表した。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館をはじめ、現在世界3カ所に美術館を持つソロモン・R・グッゲンハイム財団は、2026年に4館目にあたるグッゲンハイム・アブダビをアラブ首長国連邦(UAE)にオープンさせるにあたり、11月6日、共通ビジュアル「ビジュアル・アイデンティティ」を発表した。
同財団は、1959年ニューヨークにグッゲンハイム美術館を開館。その後1979年にはヴェネチアに創設者ソロモン・R・グッゲンハイムの姪にあたるペギー・グッゲンハイムのコレクションを展示するペギー・グッゲンハイム・コレクション、1997年にはスペイン・ビルバオにビルバオ・グッゲンハイム美術館をオープンさせてきた。
そして、2026年のオープンに向けてUAEのサディヤット島文化地区で建設が進行中のグッゲンハイム・アブダビは、高さ約300メートル、床面積約2万8000平方メートル以上とグッゲンハイム美術館の中では最大級となる予定だ。その建築資金は、UAEが2005年に打ち出した文化観光に数十億ドルを投入して経済を多角化する政策に基づいている。
今回発表された「ビジュアル・アイデンティティ」は、著名なデザイン会社であるペンタグラムとのコラボレーションによって誕生した。グッゲンハイムの頭文字「G」を大胆に取り入れたマークの中に、誰もが無料で使用できる新フォント「グッゲンハイム・サンズ」でそれぞれの館名が記されている。
新ビジュアルについて同財団は、「グッゲンハイムの世界的な文化施設としての地位を強化すると同時に、世界に点在する美術館をより緊密に結びつけ、ユニークな地域性を称えています」と声明で述べている。また、館名がアルファベットに加え、レバノンを拠点とするスタジオDebakirとクウェートを拠点とするスタジオTB.D.との共同制作によるアラビア文字が使用されている。これについては「国際的な美術館群の構成を反映し、また美術館を特徴づける文化交流の精神を体現した」と説明した。
「ビジュアル・アイデンティティ」の発表に合わせて、同財団はスペインで国際的に美術館のマーチャンダイジングを手掛ける企業Dots & Rootsと組み、そのデザインを盛り込んだアパレル、アクセサリー、ギフトのカプセル・コレクションを制作。まずはニューヨークのグッゲンハイム美術館で販売を開始し、その後近日中にオンラインやヴェネチア、ビルバオ、そしてアブダビで展開する。
グッゲンハイム美術館・財団のディレクター兼CEOであるマリエット・ウェスターマンは新ビジュアルについて、声明の中で次のように話した。
「私たちのビジュアル・ストーリーの新章を紹介できることを嬉しく思います。3大陸4都市にある4つの美術館は、それぞれ特徴的な建築の中にあり、その都市やコミュニティに強い共鳴をもたらすコレクションや展示を通じて、誰もが優れた近現代美術作品に出会い学ぶことができる場所です」
「グッゲンハイムの4館は、芸術と建築の変容的な体験を創造し、共有することで結ばれた『星座』を形成します。 今回リフレッシュされたエレガントでダイナミックなアイデンティティは、各グッゲンハイム美術館のユニークなスピリットを尊重しながら、その共有ビジョンを表現しているのです」(翻訳:編集部)
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