車内に桜が咲き誇る! ロールス・ロイスが職人技を結集した唯一無二の「ファントム」を発表
ロールス・ロイスは、日本の花見文化から着想を得た世界に一台のファントム・エクステンデッド「ファントム・チェリー・ブロッサム」を発表した。車内には25万針を超える刺繍によって桜が表現されており、ルーフに広がるスターライト・ヘッドライナーから後部座席に至るまで、桜の花が咲き誇っている。

ロールス・ロイスの「ビスポーク」は、車体のデザインやカラー、内装までを自分仕様にオーダーできる限られた人々に開かれたサービスだ。今回同社はこのビスポークから、日本の顧客のために特別につくられた「ファントム・チェリー・ブロッサム」を発表した。
花見文化にインスピレーションを得た「ファントム・チェリー・ブロッサム」は、車内のルーフに広がるスターライト・ヘッドライナーに日本の春の風物詩である桜を、精緻な刺繍によって見事に再現した、日本の美意識と情緒に満ちた作品だ。
これらの刺繍は、ロールス・ロイス社の職人たちが同社初となる3D刺繍技術を用い、実に25万針を超えるステッチを施し完成させたもの。3週間の作業期間を要したスターライト・ヘッドライナーには、繊細な色合いの桜の花をちりばめた枝が刺繍され、まるで満開の桜の木の下に座っているような感覚を生み出す。
また、パーティション・ウォールを飾る立体的な桜の花びらは、糸を幾重にも重ねて自立する構造を形成する新技術により実現しており、車内照明に合わせて柔らかな陰影を生み出すよう個別に配置されている。
さらに、アークティック・ホワイトにクリスタルを重ねたエクステリアの上には後部座席のドアの中ほどまで優雅に細くなるコーチラインが手描きで施され、繊細な桜の花が添えられている。ドア内に格納されたビスポークの傘の生地の内側にも、舞い落ちる花びらが描かれており、細部にわたるこだわりには驚かされる。この世界に一台だけのこの特別なファントム・エクステンデッドに、6カ月の開発期間が費やされたというのも納得だ。
本作の構想がスタートしたのは、3年前。子ども時代と子育て時代の花見の思い出を形にしたいと希望した日本の顧客のため、ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブの職人たちは、クライアントが思い描くビジョンを丁寧に解釈し、桜が象徴する「生命の儚さと移ろいゆく美しさ」を車内に再現するという挑戦に取り組んだのだ。
なお、2025年はロールス・ロイスを代表するモデル、ファントムが100周年を迎える記念すべき年でもある。ロールス・ロイスは昨年にビスポーク製作されたクルマを5712台納車しており、この数字は歴代3番目の記録だという。ビスポーク事業の成功を受け同社は、2025年1月に3億ポンド(約565億円)の投資をビスポーク事業に行うことを発表しており、製作所の敷地拡大を行う予定だ。