子どもが不運にも推定81億円のマーク・ロスコ作品を損傷。オランダ「見せる」収蔵庫でのアクシデント
オランダの美術館で、抽象表現主義の巨匠マーク・ロスコの貴重な絵画に子どもがひっかき傷をつけるアクシデントが起きた。この作品の価値は5000万ユーロ(約81億円)にのぼるとされている。

オランダ・ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館が所蔵するマーク・ロスコの絵画《Grey, Orange on Maroon, No. 8(グレー、オレンジ、マルーン、No.8)》」(1960)が、小さな損傷を受けた。子どもがひっかいたものと見られている。
5000万ユーロ(約81億円)の価値があるとされるこの作品は、美術館に隣接した「デポ」と呼ばれる保管施設で一般公開されていた。
現地メディアが伝えるところによると、アクシデントは「監視の目がなかったとき」に起きたという。同美術館広報の声明では、作品下部のニスが塗られていない部分の絵の具の層に、浅くはあるが目に見える損傷を受けている。
また、オランダ国内外の保存修復専門家から見解を求めているという同館は、「私たちは現在、修復の次のステップを模索しています。将来的にはこの作品を再び展示できると考えています」と述べている。
保存修復の費用を誰が負担するかについて美術館は明らかにせず、声明でこう説明している。
「ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館は、絵画の価値評価や修復にかかる費用、この件に関する今後の対応についての情報は提供しません。損傷部分の画像を配布することもありません」(翻訳:石井佳子)
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