西村有がデイヴィッド・ツヴィルナーに所属。日本在住作家は草間彌生に続いて2人目

デイヴィッド・ツヴィルナーは、神奈川県在住のアーティスト、西村有を所属作家として迎えることを発表した。存命の日本在住作家としては草間彌生に次いで2人目となる。

西村有 Photo by Takashi Homma for MARFA

デイヴィッド・ツヴィルナーが、神奈川県在住のアーティスト、西村有を所属作家として迎えることを発表した。

西村有は1982年神奈川県生まれ。2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。主な展覧会は「アペルト09 西村有-paragraph」金沢21世紀美術館(石川、2018年)、「Scene of beholder」(Crèvecoeur、パリ、2020年)、竹崎和征+西村有「続・並行小舟唄 翠のうつわ」(越後妻有里山現代美術館 MonET、新潟、2023年)、「Synopsis」 (Sadie Coles HQ、 ロンドン 、2024)など。作品はロサンゼルス・カウンティ美術館ポンピドゥー・センター金沢21世紀美術館、清須市はるひ美術館などに所蔵されている。

西村の作品は、日本に広がる市街地などの日常的な題材に深く根ざしている。彼の描く都市風景や人物像は半ばぼやけたフォルムで構成され、簡素化されながらもシンプルかつグラフィカルな構成によって強い現代性を感じさせる。

Yu Nishimura, Along the Skyline, 2025 © Yu Nishimura Courtesy the artist and David Zwirner
Yu Nishimura, Permeation, 2025 © Yu Nishimura Courtesy the artist and David Zwirner
Yu Nishimura, Lentinula Growth, 2025 © Yu Nishimura Courtesy the artist and David Zwirner
Yu Nishimura, Lizard's Tail, 2025 © Yu Nishimura Courtesy the artist and David Zwirner
Yu Nishimura, From Right to Left, 2025 © Yu Nishimura Courtesy the artist and David Zwirner

同ギャラリー代表のデイヴィッド・ツヴィルナーは、西村の所属について声明で次のようにコメントした。

「娘のマーレーンから西村有の作品を紹介されたとき、すぐに心を奪われました。Yuは、モダニズムの厳格さと、彼独自のネオ・ロマンティシズムとも言うべき感性という、相反する要素を見事に融合させています。彼の作品は、見る者の心に深く入り込んできます。洗練された絵の具の扱いから、絵画というジャンルへの深い探究心がうかがえる一方で、その表現は完全に現代的です。Yuをギャラリーに迎えること、そして彼の作品を新たな観客に紹介できることを心から楽しみにしています」

同ギャラリーのニューヨーク69丁目のスペースでは、西村の初個展「Clearing Unfolds」が開催中(6月27日まで)だ。彼が幼少期から10代前半までを過ごした横浜市磯子区洋光台に再び訪れた際のインスピレーションをもとに制作した作品で構成されている。

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