生ける伝説、テリー・ライリーの90歳記念コンサートが開催。代表作《Sun Rings》を日本初披露

TEXT BY ARTNEWS JAPAN

神奈川県立音楽堂にて6月25日、テリー・ライリー生誕90周年コンサート「Kronos Quartet Plays Terry Riley」が開催される。クロノス・クァルテットがライリーの代表作《サン・リングズ》を日本初演する。

神奈川県立音楽堂にて6月25日、ミニマル・ミュージックの祖、作曲家テリー・ライリー生誕90周年記念コンサート「Kronos Quartet Plays Terry Riley」が開催される。ライリー本人も来場を予定しており、自身と関係が深い現代音楽を専門とする弦楽四重奏団クロノス・クァルテットが出演する。

2020年より日本に移住し、現在山梨県に居住するライリーは、6月24日に90歳になる。現代音楽を切り開き、スティーブ・ライヒらと共にミニマル・ミュージックの礎を築いた。日本移住後は、2023年に埼玉国際芸術祭2023、アンビエント京都など芸術祭でも演奏している。

公演プログラムはライリーの強い要望により、彼の代表作《サン・リングズ（Sun Rings）》が日本で初めて演奏される。この曲は、NASAより提供された宇宙空間の音響データを素材とし、弦楽四重奏、合唱、電子音響が融合する壮大な作品で、クロノス・クァルテットがライリーに委嘱した。第62回グラミー賞（Best Engineered Album, Classical）を受賞した録音盤も国際的に高い芸術的評価を受けている。本作は元々2022年に日本初演の予定であったが、クロノス・クァルテットのビザが間に合わず中止となった。今回のコンサートでは、当時共演予定だった合唱団やえ山組も出演する。