アニッシュ・カプーアが超高級コンドミニアムを26億円超で売り出し中。建物入口には自らの彫刻作品
鏡面仕上げのパラボラ型の彫刻や巨大なパブリックアートで知られるアニッシュ・カプーアが、ニューヨークの超高級コンドミニアムを26億円超で売りに出していることが分かった。

インド・ムンバイ生まれで、ロンドンを拠点に活動する現代アーティストのアニッシュ・カプーアが、ニューヨークの高層コンドミニアムに所有している自宅を1775万ドル(最近の為替レートで約26億3000万円、以下同)で売却する意向だと、ニューヨーク・ポストが報じている。
ロウワーマンハッタンのトライベッカ地区一番の高層建築である「56 レオナード・ストリート」は、世界的な建築事務所、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したもので、積み木を重ねたような独特な形状から「ジェンガビル」と呼ばれる。もう1つの特徴は、建物1階のエントランス部分に、カプーアの制作した鏡面仕上げの豆型の作品が設置されていることだ。
これは彼の代表作の1つとしてシカゴの観光名所になっているパブリックアート、《クラウド・ゲート》の小型版ともいうべきもので、その銀色の表面が広角レンズのように周囲の風景を反射している。
売りに出されている物件は57階建ての47階にあり、約332平方メートルの広さに4ベッドルームと4つのバスルーム、1つのハーフバスルームが備えられている。天井高は約3.7メートルで、床から天井まで届く窓からマンハッタンが一望できる。
主寝室にはウォークインクローゼットと大理石のバスルーム(床暖房あり)が付いており、専用エレベーターホール、3つの専用屋外スペース、暖炉、そしてオープンキッチンも備わっている。さらに、屋内プールやサンデッキ、ジム、シアタールーム、居住者用ラウンジ、プライベートダイニングルーム、子ども用プレイルームが利用できる。
2016年に1400万ドル(約20億7000万円)でこのコンドミニアムを購入したカプーアは、昨年、別の不動産仲介会社を通じ、1800万ドル(約26億6000万円)で売却を試みていた(現在の仲介担当はサーハント社のクリスタ・ニコルズとマーティン・ガルシア)。
今回の売却理由は明らかにされていないが、カプーアは2021年にもロンドン中心部で最大級の住宅とされる住居を2600万ドル(約38億5000万円)で売りに出した。その直前、彼はヴェネチアで18世紀に建てられた邸宅を購入し、展示スペースに改装する計画を発表している。(翻訳:石井佳子)
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