ARTnewsJAPAN

世界最大級の「映えスポット」、シカゴのアニッシュ・カプーアの巨大彫刻が観覧再開へ

シカゴで最も人気のある観光名所の一つ、アニッシュ・カプーアの巨大彫刻《クラウド・ゲート》(通称ビーン:豆)が、約1年ぶりに一般公開を再開する。彫刻が設置されているグレンジャー・プラザの改修工事のため、関係者以外の立ち入りが禁止されていた。

シカゴ観光の目玉になっているアニッシュ・カプーアの《クラウド・ゲート》(2004-06)。Photo: Beata Zawrzel/NurPhoto via Getty Images

シカゴ中心部に位置するミレニアム・パークのグレンジャー・プラザ改修工事のため、アニッシュ・カプーアの巨大彫刻《クラウド・ゲート》の観覧は昨年8月から制限されていた。利便性向上のための改修には、基壇や舗装のリニューアル、階段やスロープの新設、新たな防水システムの導入などが含まれている。なお、当初一般公開は今年春先の予定とされていた。

シカゴ市文化・特別イベント局の広報担当者は、地元メディアのWGNに対し、「天候次第だが、予定では6月末までにグレンジャー・プラザの一般公開を再開する」と語った。

2006年に完成した《クラウド・ゲート》は、高さ10メートル、幅20メートル、奥行きが13メートルある世界最大級のパブリックアートで、アメリカ中西部で一、二を争う観光名所となっている。

総工費2300万ドル(直近の為替レートで約36億円、以下同)をかけたこの彫刻は、168枚のステンレス鋼板を溶接して制作され、表面は鏡のように磨き上げられている。改修工事が開始される前、ここを訪れた人々は、こぞって湾曲した表面に映り込む自分の姿を写したり、記念撮影をしたりしていた。

なお、《クラウド・ゲート》の小型版ともいえる作品が、昨年ニューヨークにある高級タワーコンドミニアムのエントランスで公開され、賛否両論を巻き起こした。こちらの彫刻は、高さ約6メートル、重さ40トン。かかった費用は800万〜1000万ドル(約13億〜15億7000万円)と見られている。(翻訳:石井佳子)

from ARTnews

あわせて読みたい