今年はキム・アヨンら韓国のアーティストにフォーカス! 「六本木アートナイト2025」が9月開催
9月26日から28日までの3日間、六本木の街を舞台にしたアートの祭典「六本木アートナイト2025」が開催される。今年は韓国のアーテイストにフォーカスした特別企画のほか、約30組による50以上のプログラムが展開される。

「六本木アートナイト2025」が六本木の街の各所で、9月26日から28日まで開催される。今年のテーマは「都市とアートとミライのお祭り」。会期中、約30組のアーティストによる50以上のプログラムが展開される。
中でも必見は、昨年からスタートした「RAN Focus」だ。特定の国・地域に焦点を当て、そこで活躍するアーティストによる作品を披露するプログラムだが、今年は「韓国」を特集。計6人のアーティストやパフォーマーを紹介する。
今年LGグッゲンハイム賞を受賞し、森美術館で開催された「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展でも注目を集めた映像作家キム・アヨンは、六本木ヒルズアリーナの幅約13メートルの巨大スクリーンで《デリバリー・ダンサーズ・アーク:0°レシーバー》(2024)を上映する。
クマの風船の造形物「ベアバルーン」を用いて都市を舞台に親しみやすい作品を展開するアーティスト、イム・ジビンは、「ベアバルーン」を街なか各所に出現させるパフォーマンスを実施。
3Dプログラムとタブレット端末を駆使して彫刻を制作するカン・ジェウォンは、六本木ヒルズアリーナに巨大彫刻《Exo2_crop_xl》(2022)をはじめとする作品群を出現させる。一見金属製のように見える彫刻は、実は風船で出来ており、これまで物理的なものとして捉えられていた彫刻が、デジタル・テクノロジーの発展により異なる大きさやメディアに進化する可能性を示している。ほかの参加アーティストはジン・ヨンソブ、TAGO、ソ・ナンジェ。
そのほか、六本木ヒルズではリン・ジエウェン/ラバイ・イヨンが制作した約3メートルの《赤い恐竜》と《緑の恐竜》を展示するほか、草野絵美が、自身が直接体験することのなかった曖昧で刹那的なカルチャーである「竹の子族」を、西洋で得られる情報に限って学習させた生成AIのみで再構築した映像作品《Synthetic Youth - Takenoko Zoku》を発表。また、「食」に焦点を当てた 櫛田祥光のパフォーマンス《糧》や、 伝統的な技法の織り職人の協力を得、釣りロープや網などのプラスチック廃材を鮮やかな色のナイロン糸へとアップサイクルするアリ・バユアジの「Weaving the Ocean(海を織る)」プロジェクトなども披露される。
東京ミッドタウンでは、布、糸、和紙、粘土など多様な自然素材を用い、染めや刺繍によって動植物の生命の循環を空間全体で表現した小林万里子のインスタレーションや、中田愛美里とまちだリなによる「移動式アートシアター」などを予定している。
国立新美術館ロビーでは、台湾の夜市で見た雞蛋糕(ベビーカステラ)の袋の中に、銃と鳩といった相反する象徴が共存している光景から生まれた胡宮ゆきなのインスタレーション《平和なんて朝飯前(10XL)vs 平和なんて朝飯前(10XL)》、旧麻布警察署跡地には、羽ばたく姿の鳥のオブジェが直径8メートルの輪に沿って配置された島田正道の《Birds fly around with you》、天祖神社ではフォン・チェン・ツォンの「Sailing Castle」シリーズが展示される。
六本木アートナイト2025
開催日:9月26日(金)~28日(日)
時間:13:00~22:00(26日は18:30から、28日は20:00まで)※施設により異なる場合あり
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街ほか六本木地区各所