小山泰介ら6名が都市開発の「見えない時間」を可視化。三菱地所が有楽町駅前で仮囲いアートを公開
東京・有楽町駅前の「有楽町ビル」「新有楽町ビル」跡地において、工事期間中の仮囲いを活用したアート企画「YURAKUCHO ART SIGHT PROJECT Vol. 05」が公開された。都市開発において通常は見えない工事期間を「都市のキャンバス」として捉え、アーティスト6名による作品が展開されている。

三菱地所株式会社は、有楽町駅前に2026年度後半に開設予定の「YURAKUCHO PARK」建設までの暫定期間を活用し、現在解体工事中の「有楽町ビル」「新有楽町ビル」跡地(約1万㎡)において、工事現場の仮囲いをキャンバスにしたアート企画「YURAKUCHO ART SIGHT PROJECT Vol. 05」を公開した。都市開発の「見えない時間」を可視化する取り組みとして、アーティスト6名による作品を2026年度下期まで展開する。
「YURAKUCHO ART SIGHT PROJECT」は、都市とアートの新たな関係性を探るプロジェクトとして2020年より始動。これまで新国際ビル、新東京ビル、丸の内パークビルなどでさまざまなアート作品を発表してきた。今回の第5弾は、現代の写真表現を探求・実践するアーティスト・コレクティブであるTOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCHがディレクションを担当。有楽町アートアーバニズムYAU、公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京「TOKYO CITY CANVAS 助成」の協力を得て実現した。
参加アーティストは、小林菜奈子《風の下にて》、小山泰介《TRACES》、築山礁太《As if seeing begins again: YSY, 2025》、松井祐生(関川卓哉)《「生き物が腐敗するときに放つ燐光は、妖精がつくる火花だといわれていた」という》、三野新《To Still the Tremors》、村田啓《So Here We Are》の6名。各作品は有楽町という都市空間の特性を生かし、ビル風や地下空間、アーカイブ写真などをモチーフに、見過ごされがちな都市の「気配」や「記憶」を可視化する試みとなっている。
なお、このプロジェクトは2026年度後半に開設予定の「YURAKUCHO PARK」への準備期間として位置づけられている。同パークは、約1ヘクタールの敷地に日本カルチャーの発信拠点として開設される予定で、建物解体後すぐに新たな建物を建てるのではなく、「まちの進化を体験できる空間」として来街者が楽しめる場を提供するという。