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「イラン女性たちの連帯を支持」──匿名アーティスト集団がグッゲンハイムでヒジャブ着用をめぐる抗議運動

イランの首都テヘランで先月9月13日(現地時間)、「ヒジャブを適切に着用していない」ことを理由に道徳警察に拘束され、その3日後に急死したマフサ・アミニさん。彼女の死を巡り抗議活動が世界的に広がる中、10月24日、NYのグッゲンハイム美術館でも匿名のアーティストたちが抗議活動を行った。

Red banners used by protesters at the Solomon R. Guggenheim museum on October 22, 2022. VIA INSTGRAM.

アミニさんは先月、ヒジャブ着用基準を遵守していないとしてテヘラン道徳警察に拘束された後、テヘランの病院で亡くなった。彼女の家族によると、彼女は拘束中に警察から暴行を受けていた。

彼女の死を機に、ベルリン、ワシントンDC、ロサンゼルスなど欧米の主要都市では大規模な抗議運動が起こっている。今月初めには、匿名の抗議者たちが、イランの首都にある重要な文化的遺跡の噴水を赤く染めるという抗議活動を行った。

この流れを受け、グッゲンハイム美術館では、「Anonymous Artists for Iran(イランのための匿名アーティスト」を名乗るNYのアーティスト集団が、最上階のロタンダからアミニさんの肖像とともに「女性、生命、自由」と書かれた12枚の赤いバナーを垂らすというプロテストを行った。

アーティスト集団は、この行動を最初に報じた「Hyperallergic」の取材に対して、「これは現在イランで起こっている女性たちの連帯と革命に対する支持を呼びかけるものだ」と説明している。

一方、アミニ殺害に対する欧米の反応を批判する声も。イランの映画監督で写真家、アーティストのシリン・ネシャットは、グッゲンハイムでのデモの様子を撮影したビデオをソーシャルメディアに投稿。コメント欄で、デモ隊(匿名アーティストたち)のことを「基本的人権と自由のために戦うイラン人女性にほとんど関心を持たない盲目の芸術界における道徳心だ」と揶揄している。

*US版ARTnewsの元記事はこちら

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