テクノロジーとアートで探る「野生動物と人間」の共存──展覧会「Happy Zoo: Wild Togetherland」が香港で開催

「都市の野生動物と人間社会の共存」をテーマに、香港・日本・イタリアのアーティストやデザイナーによるデジタルアートのインスタレーションを通じて、生命の繋がりと多様性を表現する展覧会「Happy Zoo: Wild Togetherland」が12月12日から、香港のAIRSIDEのGATE33ギャラリーで開催される(2026年3月3日まで)。

「Happy Zoo: Wild Togetherland」展示作品のスティッキーライン《都市動物寓話》。

非営利団体Artists who Love Animals and Nature(ALAN)は、香港のAIRSIDEのGATE33ギャラリーで展覧会「Happy Zoo: Wild Togetherland」を開催する(12月12日~2026年3月3日)。

「Happy Zoo」は、「世界初のデジタル動物園」というコンセプトのもとに誕生したプロジェクトで、テクノロジーとアートを通じて、人と動物、そして自然との新しい関係性を探求している。ALANはこれまでに、世界初のデジタルアート水族館「BLUTOPIA」や、スマトラ島の熱帯雨林をテーマにした「Spirit of Sumatra」を発表してきた。

その第3弾となる「Wild Togetherland」は、「都市の野生動物と人間社会の共存」をテーマに、香港・日本・イタリアのアーティストやデザイナーによるデジタルアートのインスタレーションを通じて、生命の繋がりと多様性を表現する。手掛けたのは、キャンペーン・ディレクターのアニタ・ラムとクリエイティブ・テクノロジー・ディレクターのアンディ・ストークス。香港を拠点とするカカマ・デザイン・ラボのマッチ・チェンがキュレーションを担当し、計10組による大胆で遊び心のある作品を集めた。

ザ・コレクティブ、スティッキーライン、カカマが共同制作したビデオゲーム《Toilet Training》。
松山真也、渡邊浩章、秋山慶太による《The Chair That Grows a Tail》。
ザ・コレクティブ、ヤオ・ヨキ、マック・ルビー《Balanced Harmony》。
アンディ・ストークス(写真左)とアニタ・ラム(写真右)

来場者は、「動物の世界に没入する」ゲームや映像、インタラクティブ作品などを通して、「自然の法則対人間の法則、どちらが勝つのか?」という切迫した問題や、人間と動物のより良い共存方法についてユーモラスな視点から考える。例えば、香港の2人組アーティストのスティッキーラインは、香港人に馴染み深い「イノシシ」を主人公に据え、彼らが横断歩道を占拠する光景をユーモアたっぷりに描くインスタレーションを発表。ザ・コレクティブ、スティッキーライン、カカマが共同制作したビデオゲーム《Toilet Training》では、ハトのような動物がトイレを使用するといった人間のエチケットに従うことの不条理を皮肉めかして伝える。

日本からは 松山真也(Siro Inc.)、渡邊浩章(Vodales)、秋山慶太(Fushigi Design) が参加し、来場者が座るとランダムに様々な動物の「しっぽ」が生える椅子作品《The Chair That Grows a Tail》を展示。「人間と動物の境界」をユーモラスに問いかける。

同展について、キュレーターのマッチ・チェンはプレスリリースで以下のように語った。

「都市が成長するにつれて、野生生物は生き残るために常に適応しなければなりません。彼らの存在は静かな鏡として機能し、私たち自身についての問いを映し出しています。「Wild Togetherland」は、これらの深刻なトピックに取り組むために遊び心のあるアプローチを採用し、私たちの隣人である野生生物たちとの役割と関係を再検討することによって、『調和のとれた共存』というこの魅力的なダイナミクスに踏み込んでいるのです」

「Happy Zoo: Wild Togetherland」
会期:12月12日(金)~2026年3月3日(火)
場所:GATE33 Gallery(AIRSIDE 3階 L312、香港カイタック 2 Concorde Rd)
時間:12:00~20:00(金土日祝は11:00~21:00)
料金:無料

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