ポンペイ近郊「ポッパエアの別荘」で鮮やかなフレスコ画を発見。孔雀や仮面の精細な描写が姿を現す
ポンペイに近いトッレ・アヌンツィアータで発掘が進む遺跡で、ポッパエア・サビナの別荘からポンペイ第2様式のフレスコ画が新たに見つかった。ポッパエアは、古代ローマ帝国第5代皇帝・ネロの2番目の妻。

イタリア・ナポリ郊外にあるトッレ・アヌンツィアータのオプロンティス遺跡には、古代ローマ皇帝ネロの2番目の妃であるポッパエアの別荘がある。そこで進められている考古学調査で、鮮やかな孔雀や演劇用仮面を描いたフレスコ画が発見された。
ポンペイ考古学公園の発表によると、今回の発見は約1年前に始まった発掘・修復プロジェクトにおける成果の1つで、仮面と孔雀の間と呼ばれる広間の「真の規模と装飾の豊かさ」を明らかにするものだという。プレスリリースには、「鮮やかな孔雀や仮面などの精緻なフレスコ画が姿を現しつつある」と書かれている。
発掘中のポッパエアの別荘は紀元前1世紀半ばに建てられたものと見られ、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれた。最近の発掘調査では「浴場施設の一部と思われる半円形の後陣のある部屋」など4つの部屋が新たに発見されており、出土した別荘の部屋総数は103室に達している。
今回発掘された壁画には、「同じ壁の南側で発見された雄の孔雀と対になる雌孔雀の完全な姿や、アテルラナと呼ばれる卑俗な即興喜劇の舞台用仮面を描いた複数の断片」が含まれている。同じ部屋から悲劇用の仮面を描いた断片も見つかっていることから、後者の発見は専門家から注目されている。
さらには、庭園を囲んでいた樹木の位置も特定された。これは「別荘南側の柱廊に沿って並べられた緻密な装飾設計」の一部だとされる。位置の特定には鋳込みを応用した手法が用いられ、樹木の痕跡が明らかになった。一連の発見についてポンペイ考古学公園のガブリエル・ズフトリーゲル所長は、声明で次のように述べている。
「初期の調査で見つかった痕跡やその分析だけでは、この遺跡と周辺の様子をはっきり掴めていませんでした。それらは、現在行われている発掘によって明らかになっていくでしょう。並外れた緻密さと色彩で描かれたフレスコ画の新たな部分も見つかり、すでにその一部を目にすることができます」(翻訳:石井佳子)
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