OMA / 重松象平+レム・コールハース設計、ニューミュージアム新館がNYに3月オープン
ニューヨークのニューミュージアムが、拡張工事に伴う2年間の休館を経て3月21日に再開する。同美術館はマンハッタンで唯一の現代アート専門美術館で、その本館は2007年に日本の建築家ユニットSANAAが手がけた。このほど完成した新館は、OMA / 重松象平+レム・コールハースによる設計。

1月13日、ニューヨーク・マンハッタンのバワリー地区にあるニューミュージアムが、拡張工事後の再オープンが3月21日になることを発表。同館は2024年3月以降、隣接する区画での新館建設のために休館中で、当初は昨秋に再開する予定だった。
この拡張で、2007年に妹島和世と西沢立衛の建築家ユニットSANAAが設計した本館に、約5600平方メートルの新しい建物が追加される。やはり国際的な建築事務所であるOMA / 重松象平+レム・コールハースの設計による新館が加わることで、総面積は約1万1200平方メートルへと倍増する。
新館建設で増える面積のうち約890平方メートルが展示スペースに割り当てられ、展示面積は既存のほぼ2倍になる。また、約360平方メートルを美術館の運営する文化インキュベーター「New Inc」が利用し、約300平方メートルがアーティストスタジオと教育・特別イベント用のスペースとして運営される。
OMAが手がけた新館には、74席のホールや7階のスカイルームに加え、館内動線をスムーズにするための3基のエレベーター、アトリウム階段、エントランス広場が含まれる。これらのスペースでは新しいコミッション作品の展示が予定されており、ファサードにはチャバララ・セルフ、アトリウム階段にはクララ・ホスネドロヴァー、エントランス広場にはサラ・ルーカスの作品が設置される。
さらに、館内の書店も従来の2倍となるほか、オベロン・グループのヘンリー・リッチが運営する新しいレストランが新たに開店する。同レストランのエグゼクティブシェフには、著書『Salad for President: A Cookbook Inspired by Artists(サラダ・フォー・プレジデント:アーティストにインスパイアされたレシピ集)』で知られるジュリア・シャーマンの就任が発表されている。レストランの名称はまだ明らかにされていないが、野菜を主役にしたメニューを提供し、イアン・チェンによるコミッション作品とアーティストでデザイナーのキム・ミンジェによる家具を楽しむことができるという。
1999年から館長を務め、4月に退任予定のリサ・フィリップスは、声明で次のように述べている。
「創立からほぼ50年、ニューミュージアムは現代における最も革新的な芸術の拠点であり、それを生み出すアーティストたちの聖域であり続けています。新館の完成でバワリー地区に誕生した総面積1万平方メートル超の美術館は、新しいアートや新しい発想に向けた私たちの決意を示すとともに、リスクを恐れず、協働し、実験を重ねる場として進化し続ける美術館としての姿勢を体現しています」
再オープンを記念し、ニューミュージアムでは3月21日(土)と3月22日(日)の2日間、無料入館を実施する。そのための助成を行ったのは、同館の評議員でUS版ARTnewsのトップ200コレクターにランクインしたこともあるシャーロット・フェン・フォード。この2日間を対象とするチケットの登録受付は来月開始される。
注目のオープニング展「New Humans: Memories of the Future(ニューヒューマンズ:未来の記憶)」では、20世紀と21世紀のアーティストの作品を組み合わせた展示が行われる。出展作家は、前者がフランシス・ベーコン、サルバドール・ダリ、イブラヒム・エル・サラヒ、キキ・コーゲルニク、ハンナ・ヘッヒ、エルザ・フォン・フライターク=ローリングホーフェンなど。後者はメリエム・ベナーニ、シプリアン・ガイヤール、ピエール・ユイグ、タウ・ルイス、ワンゲチ・ムトゥ、プレシャス・オコヨモン、ベレニス・オルメド、フィリップ・パレーノ、ヒト・シュタイエル、ジャミアン・ジュリアーノ=ヴィラーニ、アニカ・イなどだ。(翻訳:石井佳子)
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