サザビーズのサウジアラビア開催オークションが前回超えの好調。湾岸地域で高まるアート市場の存在感

サザビーズサウジアラビアで開催した2回目のオークション「Origins II」が1月31日に行われ、事前予想の1170万〜1660万ドル(約18億1900万円~25億8000万円)を大きく上回る、1960万ドル(約30億5000万円)を売り上げた。2月5日からアート・バーゼル・カタールが初開催されるなか、今回の結果は、サウジアラビアを含む湾岸地域がアート市場で存在感を強めつつあることを印象づけるものとなった。

サザビーズがサウジアラビアで開催したオークション「Origins II」の様子。Photo: Courtesy Sotheby's

サザビーズがサウジアラビアで開催する2回目のオークションOrigins II」が、1月31日に行われた。

2025年2月8日に開催された第1回「Origins」では、美術作品およびラグジュアリーアイテム117ロットが出品された。事前予想の1400万〜2000万ドル(約21億8000万円~約31億円)の範囲内となる、手数料込み1730万ドル(約26億9000万円)を売り上げ、華々しい成功とは言えないものの、堅実な結果を残した。

これに対し今回は、61ロットのみの出品ながら、事前予想の1170万〜1660万ドル(約18億1900万円~約25億8000万円)を大きく上回る、手数料込み1960万ドル(約30億5000万円)を売り上げた。

本セールで最も注目を集めたのは、地元アーティストによるオークション記録が大きく更新されたことだ。サウジアラビア近現代美術を代表する女性アーティスト、サフィーヤ・ビンザグル(1940–2024)による《Coffee Shop in Madina Road》(1968)は、手数料込みで210万ドル(約3億2600万円)で落札され、予想落札価格の最高額の10倍以上という結果となった。これまでのサウジ人アーティストのオークション最高額は、2023年にモハメド・アル=サリームの作品が記録した120万ドル(約1億8700万円)であり、今回の落札はその記録をほぼ倍増させるものとなった。

サフィーヤ・ビンザグル《Coffee Shop in Madina Road》(1968)
モハメド・アル=サリーム《Untitled》(1989)
パブロ・ピカソ《Paysage》(1965)
アンディ・ウォーホル《Muhammad Ali》(1978)
ロイ・リキテンスタイン《Interior with Ajax(Study)》(1997)

「Origins II」にはサウジアラビア人アーティストによる作品が9点出品され、全てが落札された。合計売上は、最高予想額110万ドル(約1億7000万円)に対し、430万ドル(約6億6800万円)に達した。そのうち2点はアル=サリームの作品で、いずれも予想落札価格の最高額の3倍以上で落札されている。

さらに今回のセールと第1回「Origins」との大きな違いとして、西洋の巨匠作品の存在感が大幅に増した点が挙げられる。これは、サザビーズがサウジアラビア国内のコレクターとの関係に、より強い手応えを得ていることの表れとも考えられる。

オークションにはパブロ・ピカソの作品が3点出品され、そのうち油彩画《Paysage》(1965)は160万ドル(約2億5000万円)で落札された。また、作家本人と妻の個人コレクションから出品されたロイ・リキテンスタインの作品7点も注目を集め、《Interior with Ajax(Study)》(1997)は88万9000ドル(約1億3800万円)を記録した。アンディ・ウォーホルによる、モハメド・アリを題材にしたシルクスクリーン4点組《Muhammad Ali》(1978)は35万2000ドル(約5470万円)で販売された。

このほか、アニッシュ・カプーアの立体作品《Untitled》(2005)は73万6600ドル(約1億1450万円)、ジェームズ・タレルのライトを使った作品《Origen》(2020)は63万5000ドル(約9900万円)で落札されている。

当日の出品ロットのおよそ3分の1にあたる約20点は、サウジアラビア国内の購入者によって落札された。現在、アート・バーゼル・カタールの初開催により注目がカタールに集まっているが、今回の結果は、サウジアラビアを含む湾岸地域がアート市場において本格的に存在感を強めつつあることを明確に示した。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい