2026年メットガラのドレスコードは「Fashion is Art」。妊娠や老いも含めた多様な「身体」を探求
メトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートによる特別展の開幕を飾るファッションの祭典、メットガラ。世界中のセレブやファッションアイコンが集まるこの一大イベントの2026年のドレスコードが発表された。

昨年11月、ニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)コスチューム・インスティテュートは、2026年の特別展のテーマ「コスチューム・アート」を発表。同館の5000年にわたる所蔵品を、衣服をまとう身体との対話の中に位置付けるという壮大な構想だ。約400点が出展予定で、クチュールファッションが美術品や工芸品と並んで展示される。
METのグレートホール横に新設されたコンデ・M・ナスト・ギャラリーのオープンを記念して開催される今年の特別展は「解剖学的な身体」を軸に、筋骨たくましい古典的な裸体像、そしてファッションの分野においては脇に置かれがちな妊娠中の身体や老いた肉体という3つのカテゴリーで構成されるという。
その特別展の幕開けとして5月4日に行われるメットガラのドレスコードが、このほど発表された。「Fashion is Art(ファッションはアート)」という政治性を感じさせない軽やかな表現で、議論の余地のない真実を端的に言い表している。
ここに提示されているコンセプトは、コスチューム・インスティテュートのキュレーターであるアンドリュー・ボルトンが昨年の発表で提示した特別展のテーマに沿ったものだ。それは、ファッションが絵画や彫刻といった伝統芸術と同様、この20年で本格的な考察に値する対象として広く受け入れられるようになってきたことを示している。
一方でボルトンは、「ファッションが芸術の一形式として受け入れられる過程は芸術の文脈に依拠する部分が多く、(衣服をまとう)身体とのつながりを考慮しないことが前提とされていました」と記者発表で述べている。
11月に発表された2026年メットガラの共同ホストは、ビヨンセ、ニコール・キッドマン、ヴィーナス・ウィリアムズ、アナ・ウィンターの4人。また、メットガラ・ホスト委員会のメンバーには、共同委員長を務めるアンソニー・ヴァカレロとゾーイ・クラヴィッツのほか、サブリナ・カーペンター、ドージャ・キャット、グウェンドリン・クリスティー、アレックス・コンサーニ、ミスティ・コープランドなどが名を連ねる。
ガラ出席者は「Fashion is Art」というドレスコードに沿って、常にインスピレーションを与えてくれるミューズのように身体を扱うことを求められる。5月のイベントで一体どんなファッションが披露されるか楽しみだが、キュレーターのボルトンはその要諦を次のように語った。
「コスチューム・アートは、身体のあらゆる長所と弱点を、その強靭さと脆弱さを、完璧さと不完全さを、特異性と共通点を、崇高な美しさを、驚くべき複雑さを、輝かしく奇跡的な多様性を称賛するものです」
毎年5月の第1月曜日にチャリティーイベントとして開催されるメットガラの目的は、約3万3000点の所蔵品で7世紀にわたるファッション史を網羅するMETコスチューム・インスティテュートの活動資金を集めることにある。特別展のオープニングを飾るガラパーティは完全招待制で、1枚5万ドル(約775万円)にのぼる高額チケットもある。(翻訳:石井佳子)
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