イギリスで「最も悪名高い囚人」チャールズ・ブロンソンの作品群が競売へ。テーマは「孤立と忍耐」
イギリスで最も暴力的な受刑者として知られるチャールズ・ブロンソン。彼が刑務所で描いた作品500点が、2100万から4200万円の予想落札価格でオークションに出品される。

イギリス・マートンのオークション会社、デイヴィッド・ダグルビー・オークショニアズで、同国で「最も悪名高い囚人」の1人、チャールズ・ブロンソンの作品500点が競売にかけられる。
3月初めにBBCが報じたところによると、ブロンソンの作品群は1人の所有者から出品され、11日に単一ロットとしてオークションが行われる予定だ。
73歳になるブロンソンの本名はマイケル・ピーターソンで、現在はチャールズ・サルバドールを名乗っている。元はベアナックル・ボクシングの選手だったが、21歳の時に武装強盗犯として収監された。
その後、他の受刑者や刑務所職員に対して暴力行為を繰り返し、あるときは教育担当職員を44時間にわたって人質に取る事件を起こした。そのため、刑期が何度も延長されたのちに終身刑となり、人生の大半を刑務所の独房で過ごしている。
競売に出品される作品はクレヨンやインク、鉛筆で紙に描かれており、オークション会社によれば、孤立と忍耐がテーマになっているという。競売の進行役を務めるスペシャリストのコラリー・トムソンはBBCの取材に対し、刑務所では画材が手に入りにくいので、古い書類を使った作品が多いと説明している。
ブロンソンの作品はこれまでにも展示や販売が行われ、物議を醸したことがある。2010年にパブリックアート・プロジェクトの一環としてロンドンの地下鉄駅に展示された絵は、被害者団体からの批判を浴び、撤去された後に不可解な形で姿を消した。また2018年には、ホームレスを支援する慈善団体への寄付を目的としたオークションから、署名入りの絵5点が取り下げられている。
一方、過去にはオークションでの落札実績もあり、2014年に200点のドローイングが出品された競売では、3万ポンド(現在の為替レートで約735万円、以下同)の落札額を記録した。今回の出品では、10万ポンドから20万ポンド(約2100万~4200万円)の予想落札価格が付けられている。
出品者は名を伏せることを条件に、オークションハウスを通じてBBCの取材に応じ、ブロンソンがこのオークションの利益を手にすることはないと語っている。しかし、収益金の使途については明らかにしなかった。なお、ブロンソンは現在ロンドンのリリー・セラヴィ・ギャラリーで、「Life of Lifer(終身刑囚の生涯」と題した個展も開催中だ(3月12日まで)。(翻訳:石井佳子)
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