『三銃士』ダルタニャンのモデルとみられる遺骨、教会床から出土──銃弾の破片や硬貨も確認

小説『三銃士』(1844)の主人公ダルタニャンのモデルとなった17世紀フランス軍人のものと見られる遺骨が、オランダで見つかった。現在、ミュンヘンの研究所でDNA分析が行われている。

フランス・パリにある『三銃士』ダルタニャン像。Photo: Wikimedia commons

アレクサンドル・デュマの小説『三銃士』(1844)の主人公ダルタニャンのモデルである、17世紀フランスの軍人シャルル・ド・バツ=カステルモール(1615頃-1673)のものと見られる遺骨が見つかった。場所はオランダ・マーストリヒトにある聖ペテロ・パウロ教会で、教会の床の修復工事中に発見された。

1615年頃にガスコーニュで生まれたカステルモールは、近衛歩兵連隊の旗手だった母方の祖父の姓であるダルタニャンを名乗り、ルイ14世治世のフランス軍に入隊。やがて軍の精鋭部隊「近衛銃士隊」の副隊長にまで上り詰めた。

彼の名は、後にデュマの小説『三銃士』によって世界的に知られることとなる。デュマは、ダルタニャンという青年が故郷を離れ、アトス、ポルトス、アラミスの3人の銃士と友情を結び、王宮を巻き込む陰謀に立ち向かう冒険譚として物語を描いている。

史実においてダルタニャンは、1673年6月25日、ルイ14世率いるフランス軍によるマーストリヒト包囲戦で戦死した。伝承によれば、トンゲルセポールト付近で喉にマスケット銃の弾丸を受けたとされる。夏の高温と戦闘の長期化により遺体の搬送が困難だったため、現在の聖ペテロ・パウロ教会の前身にあたるウォルデル村の教会に埋葬されたと考えられている。

オランダ・マーストリヒトにある聖ペテロ・パウロ教会。Photo: Wikimedia commons
フランス南西部の教会の前にある三銃士とダルタニャン像。Photo: Arterra/Universal Images Group via Getty Images

オランダのニュースサイト、L1によると、床下からは遺骨とともに17世紀後半に鋳造されたフランスの硬貨や、マスケット銃弾の破片が発見された。研究者によれば、埋葬場所は当時、王族や重要人物に限られていた祭壇下にあたるという。

遺骨の歯からDNAサンプルが採取され、現在ミュンヘンの研究所で分析が進められている。その後DNA型はダルタニャンの既知の子孫のDNAと比較される予定だ。28年間ダルタニャンの墓を研究しており、発掘に関わったオランダ人考古学者ウィム・ダイクマンは、この待望の発見についてL1の取材に次のように述べた。

「私は科学者なので、結果が出るまで非常に慎重です。長年フランスの研究者と交流があり、彼らからはなぜダルタニャンがまだ見つかっていないのかとよく問われてきました。今回それが解決する可能性があり、さらに私のキャリアのハイライトになるかもしれません」(翻訳:編集部)

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