ケイト・モスが「友情の証」でもあるアートコレクションを売却した理由【アートを愛するセレブたちVol. 1】
1990年代、「アンチ・スーパーモデル」の筆頭として彗星のごとくファッション界に出現し、以降トップの座に君臨し続けるケイト・モス。アートラヴァーとしても知られる彼女は、なぜ2021年11月にアートコレクションの売却に至ったのか?
アートコレクション売却資金の行く先は?
アンディ・ウォーホル《マリリン・モンロー》のオマージュとして、2005年にバンクシーの元代理人のスティーブ・ラザリデスのギャラリーから世界で50点のみ発売された金髪の《ケイト・モス》のモデルであり、タレント事務所「KATE MOSS AGENCY」やビューティブランド「COSSMOSS」のCEOとしてマルチな才能を発揮するケイト・モス。そんな彼女が、2021年にアートコレクションの一部を売却していたという。
これを報じたデイリーメール紙によると、売却で得た資金の投資先は、友人でありファインアーティストユニットのMert and Marcusのマート・アラスが手がけた高級ジンブランド「Seventy One」だとされているが、マート自身も関係者も出資元が“誰”なのかを現在まで明言していない。
彼女が売却したアートコレクションのリストは、イギリスを代表する剥製作家、ポリー・モーガンによる版画、彫刻、剥製に加え、ダミアン・ハーストの作品が数点含まれており、これにより破格の資金を捻出したと見られている。
ちなみにハーストといえば、あの一面にダイヤモンドをセッティングしたスカル《For the Love of God》が代表作の一つだが、ケイトは推定1,500万ポンド(約24億円)で購入したとされるイギリスのコンテンポラリーアーティストのマグナス・ギョエンの《I Thought We’d Only Meet In Death》も所有しており、新進アーティストやスカル好きであるという趣向も覗かせた。
依存を越えて。新たな人生もケイト・モス流
このアートコレクションのほかにも、ロンドン・ハイゲートに所有していた自宅を売却し、緑豊かなコッツウォルズに移転。かつて故ジョージ・マイケルらの「溜まり場」だったことでも有名なロンドンの「伝説のホーム」の売却には、娘のライラが非常に落胆していたという。
彼女に近い関係者の話によると、これらアートコレクションは、かつて彼女の友人のナオミ・キャンベルらモデル仲間からの贈り物で、知人からの紹介で知り合った個人美術品ディーラーを通じて約2年前から売却準備を進めていたと言う。
かつてアルコール依存をリハビリによって乗り越えたケイト。2020年には数年間禁酒状態にあり、健康的なライフスタイルを取り戻したと明かしたが、今回のアートコレクションの売却で捻出した資金の“使い道”には周囲も再び静観視状態に。しかし、そんな世間を尻目に、「Seventy One」のローンチパーティやイメージモデルとして堂々登場する傍ら、“蒸留酒”という芸術に投資する手法は、いかにもケイト・モスらしいと言える。