1000年ぶりの里帰り、《バイユーのタペストリー》鑑賞は40分制で最高7000円
およそ1000年ぶりにフランスからイギリスに帰還する歴史的作品《バイユーのタペストリー》の特別展は、大英博物館にとって今年最大の目玉となるプロジェクトだ。この全長70メートルにおよぶ刺繍絵を鑑賞するためのチケット価格が、このほど発表された。

1066年のノルマン征服を刺繍で描いた全長約70メートルの《バイユーのタペストリー》が、ほぼ1000年ぶりにイギリスに里帰りし、大英博物館で9月10日から来年7月11日まで一般公開される。同博物館の発表によると、ロンドンでは「初めて平らな状態で、特注の展示ケース内に一続きに並べて展示される」という(従来は垂直方向の展示)。
ロマネスク美術の最高傑作の1つであるこのタペストリーは、ノルマン人によるイングランド征服とヘイスティングスの戦いを伝える58の場面からなり、626人の人物と202頭の馬が描かれている。1070年代にイングランドで制作されたものと考えられ、現在はフランス・ノルマンディーのバイユー・タペストリー美術館に所蔵されている。
5月21日に大英博物館は、2026年9月10日から2027年7月11日まで展示される「バイユーのタペストリー」展の料金を発表した。それによると、ピーク時のチケットは大人1人33ポンド(約7000円)。オフピーク時(学校の休暇時期を除く平日の午後5時10分まで)は大人1人27ポンド(約5800円)で、学生と障がい者向けのチケットは一律25ポンド(約5400円)。いずれの場合も入場枠には40分の時間制限がある。
なお、会期の最初の2週間および最後の2週間は、時期や曜日にかかわらずピーク料金が適用される。
これだけでも十分に複雑だが、学校の休暇時期を除く平日の最終時間帯に近い15時30分から16時20分の間には、25ポンド(約5400円)の「スーパーオフピーク」チケットが販売されるという。また、大英博物館の会員は事前予約による無料の時間指定チケットが利用可能だが、会員1人につき会期中の無料入場は2回までとなっている。チケット販売は7月1日から、会員の予約受付は6月16日に開始される。
なお、アート・ニューズペーパー紙の記事では、この料金設定が最近の特別展の18ポンドから25ポンド(約3900〜5400円)に比べ、高額であることが指摘されている。
《バイユーのタペストリー》は、所蔵するバイユー・タペストリー美術館が大規模改修と保存プロジェクトで2027年10月まで休館する間を利用してフランスから貸与される。また、昨年7月に英仏2国間で結ばれた協定に基づき、イギリス側は7世紀の船葬墓が見つかったサットン・フー遺跡から出土した遺物や、スコットランドで発見され、12世紀に作られたと見られるルイス島のチェス駒をノルマンディー地方の複数の文化機関へ貸し出す予定だ。
およそ1000年ぶりとなるタペストリーの里帰り展示は、大きな関心を集めることが予想される。そのため、大英博物館はこの歴史的な特別展に総力を挙げて取り組んでいる。その一環として、5月16日から6月2日まで、世界的な庭園デザイナーのアンディ・スタージョンがタペストリーに着想を得て制作した屋外インスタレーション「タペストリー・オブ・ツリーズ」が博物館の前庭で公開されている。
同博物館の声明によると、「インタレーションの森は、タペストリーに描かれているヘイスティングスの戦いが起きたイースト・サセックス地域に見られる樹木や植物で作られている」という。(翻訳:石井佳子)
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