ルーブル美術館の盗難事件が映画化へ──監督は『アテナ』のロマン・ガヴラス

ルーブル美術館でわずか8分足らずの間に155億円相当の宝飾品が盗まれた事件が、映画化されることになった。指揮を執るのは、ミュージックビデオでもその才能を高く評価されている気鋭の映画監督、ロマン・ガヴラスだ。

ナポレオン3世の皇后ウジェニーのきらびやかな宝飾品。写真の大型コサージュ・ボウもルーブル美術館から盗まれた品の1つ(2023年10月21日撮影)。Photo: VCG via Getty Images

世界トップの来館者数を誇るパリルーブル美術館で起きた大胆不敵な窃盗事件が、映画化されることになった。メガホンを取るのは、フランスを拠点に活動する気鋭の映像作家・映画監督のロマン・ガヴラス。ガヴラスは、2022年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されて話題をさらった『アテナ』で知られるほか、M.I.Aやジェイ・Zカニエ・ウェストなどのミュージックビデオでも高く評価されている。『アテナ』はパリ郊外の移民街を舞台にしたサスペンス・アクションで、13歳のアルジェリア系少年殺害事件が引き金となった住民と警察の戦いを描いたものだ。

映画の原作は、5月27日にフラマリオン社から出版された調査ノンフィクション『Main Basse sur le Louvre(ルーブル美術館での略奪)』で、フランスの主要メディア、ル・パリジャン紙、ル・モンド紙、パリ・マッチ誌の3人のジャーナリストによる共著。

ル・モンド紙が伝えるところによると、執筆者たちはルーブルの事件に関し、「多くの犯罪者にとって美術品窃盗がもはや他のビジネスと何ら変わらないことを示した」と述べている。8800万ユーロ(事件当時の為替レートで約155億円)相当の宝飾品が白昼堂々盗み出されたこの事件では、主要容疑者は逮捕されたものの、盗まれた宝飾品は依然見つかっていない。

映画化権を獲得した制作会社のアイコノクラストは、前述の『アテナ』や『ワールド・イズ・ユアーズ(原題:Le Monde est à toi)』(2018)などガヴラス監督作品も多く手がけているほか、映画監督・脚本家で画家でもあるハーモニー・コリンのヒット作『スプリング・ブレイカーズ』(2013)や、酷評された実験的映画『アグロドリフト』(2023)でも知られる。

制作会社と監督が発表された以外、映画のタイトル、公開日、出演俳優などの情報はまだ公開されていない。一方、アメリカでは今年後半にもガヴラス監督作品を目にすることができるだろう。Netflixが5月下旬に、同監督の『Sacrifice(サクリファイス)』米国配信権を獲得したことを発表している。

アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・エヴァンス、サルマ・ハエックなど豪華キャストによるこの作品は、人類を救うためには3人の生贄が必要だと信じる過激なカルト集団に拉致された映画スターをめぐるアクションブラックコメディだ(ヨルゴス・ランティモス監督の『ブゴニア』に似ているようにも思うが、気にしないでおこう)。

なお、映画化されるのと同じ書籍によるドキュメンタリーシリーズ版の権利はイギリスのプロデューサーが取得したが、現時点で名前は明かされていない。(翻訳:石井佳子)

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