【2026年下半期】世界の必見アートフェア21選──フリーズ・アブダビも初開催
世界各地で秋の到来とともにアートフェアが続々と開幕する。今年はフリーズ・ソウルやアート・バーゼル・パリなどの主要フェアに加え、新たにフリーズ・アブダビもスタート予定だ。今年下半期に開催される21の注目アートフェアを紹介する。

- 1. アート・オ・ラマ(フランス)
- 2. フリーズ・ソウル(韓国)
- 3. キアフ・ソウル(韓国)
- 4. シドニー・コンテンポラリー(オーストラリア)
- 5. アーモリー・ショー(アメリカ)
- 6. インディペンデント・20th Century(アメリカ)
- 7. アンタイトルド・ヒューストン(アメリカ)
- 8. フリーズ・ロンドン&フリーズ・マスターズ(イギリス)
- 9. 1-54アフリカン・アートフェア(イギリス)
- 10. アート・バーゼル・パリ(フランス)
- 11. パリ・インターナショナル(フランス)
- 12. マイナー・アトラクションズ(イギリス)
- 13. エコー・ソーホー(イギリス)
- 14. アート・台北(台湾)
- 15. アーティッシマ(イタリア)
- 16. アート・ケルン(ドイツ)
- 17. フリーズ・アブダビ(UAE)
- 18. ART021上海コンテンポラリー・アートフェア(中国)
- 19. ウエスト・バンド・アート&デザイン(中国)
- 20. NADAマイアミ(アメリカ)
- 21. アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(アメリカ)
8月のサマーブレイクが明けると世界のアートシーンは一気に動き出す。今年は、例年開催されている老舗フェアの新たな動向や、今年スタートするフリーズ・アブダビ、近年台頭する新進フェアなど目が離せない話題が目白押しだ。この記事では、2026年下半期に開催される海外アートフェアの中から注目すべき21のフェアを厳選して紹介する。
1. アート・オ・ラマ(フランス)

フランス・マルセイユで毎年8月末に開催される本フェアは、世界各地から気鋭の現代アートギャラリーが集結する。地元のコレクターや欧米の有力ギャラリーがコミッショナーを務めていることもあり実験的なプレゼンテーションも多い一方で、アート・バーゼルやフリーズといった大規模フェアへの登竜門的役割も担っている。地元で活躍するデザイナーを紹介するセクションなど、独自のプログラムも魅力だ。日本からはGALLERY HAYASHI + ART BRIDGE、TATSURO KISHIMOTOが参加を予定している。
アート・オ・ラマ
日程:8月28日(金)~30日(日)
会場:ラ・フリッシュ・ベル・ド・メール
2. フリーズ・ソウル(韓国)

アジア最大規模を誇るアートフェアのひとつ。5回目の開催となる今年は、欧米のトップギャラリーをはじめ、世界30カ国から125を超えるギャラリーが参加する。本年からの新たな試みとして、現代アートと工芸・デザインの接点を探る「マテリアル・プラクティス」セクションや、西洋中心主義的な美術史で見落とされてきた作家に光を当てる「スポットライト」セクションが新設された。日本からも東京画廊+BTAP、タカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリーなど20ギャラリーが出展する。
フリーズ・ソウル
日程:9月3日(木)〜6日(日)※9月2日と3日の午前はVIPプレビュー
会場:COEX
3. キアフ・ソウル(韓国)

韓国画廊協会が主催し、フリーズ・ソウルと同時期・同会場で開催されるキアフ・ソウル(KIAF)。今年で第25回目の節目を迎える、韓国のアート史を支えてきたフェアだ。グローバルなギャラリーが多いフリーズに対し、キアフは韓国国内やアジア圏からの出展が中心となっており、地元アーティストの作品を直に鑑賞し、購入できるのが最大の魅力だ。今年からは新たにクリエイティブ・ディレクターを起用。フェアの更なる進化が期待されている。
キアフ・ソウル(KIAF)
日程:9月2日(水)~6日(日)※9月2日の午前はVIPプレビュー
会場:COEX
4. シドニー・コンテンポラリー(オーストラリア)

アジア太平洋地域のアートシーンを強力に牽引する同フェアは、今年で第10回という記念すべきアニバーサリーイヤーを迎える。オーストラリア国内外から100以上のギャラリーが参加し、500人を超えるアーティストの作品を出品する。昨年新設されて好評を博した、写真作品に特化した「フォト・シドニー」セクションをはじめ、ライブパフォーマンスやトークイベントなど多様なプログラムが展開され、オセアニアの最前線の現代アートシーンを存分に堪能できる。
シドニー・コンテンポラリー
日程:9月3日(木)~6日(日)※9月2日はVIPプレビュー
会場:キャリッジワークス
5. アーモリー・ショー(アメリカ)

ニューヨークで長い歴史と確かな実績をもつ、アメリカを代表する大型アートフェアだ。例年200以上のギャラリーが参加し、ニューヨークのアート市場のダイナミックさを示す重要なプラットフォームとして位置付けられている。2023年よりフリーズの傘下に入った本フェアは、今年から会期を従来の9月上旬から9月末へと変更した。これは、同時期に開催されていたフリーズ・ソウルとの日程被りを避けるための動きとみられ、今年の秋のニューヨークのアートシーンを盛り上げる起爆剤として期待されている。
アーモリー・ショー
日程:9月25日(金)~27日(日)※9月24日はVIPプレビュー
会場:ジャビッツ・センター
6. インディペンデント・20th Century(アメリカ)

毎年5月にニューヨークで開催されているインディペンデントの姉妹フェアとして2022年にスタートした、20世紀のアートを中心とするユニークなフェアだ。今年はサザビーズとの共同開催となり、モダニズム建築の象徴であるブロイヤービル(旧ホイットニー美術館、現サザビーズ本社)へ会場を移転。56ギャラリーが出展する。サンパウロのGomide&Coがオオタケトミエ(大竹富江)をはじめとする日系ブラジル人アーティストを紹介するなど、独自の視点から美術史を再評価する見ごたえのある展示が特徴だ。
インディペンデント・20th Century
日程:9月24日(木)~27日(日)
会場:ブロイヤービル
7. アンタイトルド・ヒューストン(アメリカ)

マイアミで高い人気を誇るアンタイトルド・アートフェアが、テキサス州で新たに立ち上げた気鋭のブティックフェアだ。テキサスの巨大な経済規模と成熟したコレクター層、そしてラテンアメリカ文化への玄関口という地理的優位性を活かして、新たな市場開拓を狙う。2回目を迎える今年は10月第1週に開催。地元の有力ギャラリーや、世界各地から多様なギャラリーが集まる。
アンタイトルド・ヒューストン
日程:10月2日(金)~4日(日)※10月1日はVIPプレビュー
会場:ジョージ・R・ブラウン・コンベンションセンター
8. フリーズ・ロンドン&フリーズ・マスターズ(イギリス)

今や世界各地で開催されているフリーズ・アートフェアは、2003年にロンドンでスタートした。毎年現代アートに特化したフリーズ・ロンドンと、古美術から近代美術まで美術館クラスの歴史的名品を扱うフリーズ・マスターズが開催され、合計300を超えるギャラリーが世界中からリージェンツ・パークに集結。幅広い時代のアートが紹介される。日本からも今年はTARO NASU、Take Ninagawa、Valentine (Misako & Rosen、ROH、LC Quiesserによる共同プロジェクト)の出展が予定されている。
フリーズ・ロンドン&フリーズ・マスターズ
日程:10月15日(木)~18日(日)※10月14日と15日午前中はVIPプレビュー
会場:リージェンツ・パーク
9. 1-54アフリカン・アートフェア(イギリス)

アフリカ大陸およびそのディアスポラによる現代アートに特化した、唯一無二のコンセプトを持つアートフェアだ。ロンドンのほか、ニューヨークやマラケシュでも展開されており、ロンドン版はフリーズと同時期に開催される。存在感を高めるアフリカのアートと文化の多様性を肌で感じることができる貴重な場となっている。なお、1-54というフェアの名称は、アフリカ大陸を構成する54の国家の数に由来している。
1-54 アフリカン・アートフェア
日程:10月16日(金)~18日(日)※10月15日はVIPプレビュー
会場:サマセット・ハウス
10. アート・バーゼル・パリ(フランス)

ロンドンのアートウィークの翌週に、パリのアートウィークが幕を開ける。そのメインフェアがアート・バーゼル・パリだ。歴史的建造物グラン・パレを舞台に、世界41の国と地域から200以上のトップギャラリーが集合する。そのうち約30のギャラリーが初参加だ。フランス拠点の画廊の割合が高く、地元の層の厚さを示しているのが特徴。2026年版は新ディレクターの就任や過去最多となる12組のジョイントブース(複数ギャラリーによる共同出展)による参加などが大きな話題となっている。市場低迷期における画廊間のコスト管理や、ジャンルの垣根を超えた実験的プレゼンテーションなど、進化し続けるギャラリーとフェアの在り方に注目したい。日本からはタカ・イシイギャラリー、Misako & Rosen、Take Ninagawaが参加する。
アート・バーゼル・パリ
日程:10月23日(金)~25日(日)※10月21・22日はVIPプレビュー
会場:グラン・パレ
11. パリ・インターナショナル(フランス)

アート・バーゼル・パリの会期に合わせて開催され、新たなアートフェアの在り方を提示する最注目のサテライトフェアだ。一般的なコンベンション・センターではなく歴史的建造物を会場に選定し、従来の箱型ブースを排して開放的な空間の壁面に作品を配置する。非営利運営で、入場無料というアクセシビリティも他のフェアと大きく異なる。2026年4月にはミラノで初の姉妹フェアを開催するなど勢いに乗る。同時期にパリで開催されるアジア美術に特化した「アジア・ナウ」や映像作品中心の「OFFSCREEN Paris」などのフェア・芸術祭も併せて回ることで、多様なアートシーンを網羅できる。
パリ・インターナショナル
日程:10月21日(水)~25日(日)※10月20日はVIPプレビュー
会場:パリ市内(詳細未発表)
12. マイナー・アトラクションズ(イギリス)

2023年にスタートした、ロンドン中心部のフィッツロビアエリアに位置するホテルを舞台とするアートフェア。フリーズ・ロンドン一強体制が続き、新興ギャラリー向けのサテライトフェアが乏しかったロンドンのシーンに新たな風を巻き起こしている。新進ギャラリーによるアンダーグラウンドで実験的なプレゼンテーションと、多様なプログラムによってアートラバーからの認知を高めている。日本からはKAYOKOYUKIやCON_が出展経験を持つ。
マイナー・アトラクションズ
日程:10月28日(水)~30日(金)
会場:ザ・マンドレイク・ホテル
13. エコー・ソーホー(イギリス)

昨年から始まったブティックフェア、エコー・ソーホーも紹介したい。こちらはロンドンのギャラリー、ソーホー・レヴェニューの女性オーナーが立ち上げた、新進ギャラリーと若手アーティストに特化したフェアだ。マイナー・アトラクションズの会場にも近いため、開催スケジュールが合えば併せて巡っておきたい。
エコー・ソーホー
日程:2026年10月予定
会場:アーティスト・ハウス
14. アート・台北(台湾)

1992年に設立された、30年以上の長い歴史を持つアジア有数の国際アートフェア。台湾ローカルとアジア市場の現在をダイレクトに伝える場として国内外からアートラバーが集まる。欧米主導の大規模フェアに比べ、地元のコレクター層との繋がりや地域性を活かしたプログラムが特徴。また、連携プログラムである第3回台北アートウィークが10月24日~11月7日まで開催されるため、フェアだけでなく台北全体のアートの活気も体感できるのが魅力だ。
アート・台北
日程:10月30日(金)~11月2日(月)※10月29日と30日の一部はVIPプレビュー
会場:台北世界貿易センター第1ホール
15. アーティッシマ(イタリア)

イタリア、トリノで開催される現代アートに特化したフェア。若手作家の発掘や実験的、学術的なアプローチに重きを置いており、キュレーターや美術関係者から高い評価を得ている。昨年はハンス=ウルリッヒ・オブリスト、ピノー・コレクションのディレクターであるエマ・ラヴィーニュ、トリノの著名コレクター、パトリツィア・サンドレット・レ・レバウデンゴなどが訪れた。例年アジアからの参入は少ないが、昨年は日本のアートプロジェクトであるanonymous art projectの参加もみられた。昨年7月にイタリアの美術品付加価値税が5%へ引き下げられたことも盛り上がりの下支えになるだろう。
アーティッシマ
日程:10月30日(金)~11月1日(日)※10月29日はVIPプレビュー
会場:オーバル・リンゴット
16. アート・ケルン(ドイツ)

1967年に誕生し、今年で59回目を迎える世界最古の近代・現代アートフェア。例年世界20カ国以上から約170のギャラリーが参加する。今年は4月にスペインのマヨルカ島で姉妹フェア「アート・ケルン・パルマ・マヨルカ」を初開催するなど、新たなステージへの拡張も続けている。フェア期間中は、市内のルートヴィヒ美術館などが夜間開館を行うほか、各所でギャラリーナイトやオープンスタジオが連動。ケルン市全体がアートに染まる。
アート・ケルン
日程:11月5日(木)~8日(日)
会場:ケルンメッセ
17. フリーズ・アブダビ(UAE)

2026年の大きなニュースのひとつはフリーズ・アブダビの始動だ。2009年から中東のアート市場を牽引してきた「アブダビ・アート」を引き継ぐ形でフリーズ・アブダビとして初開催を迎える。会場はルーブル・アブダビや建設中のグッゲンハイムを擁するサディヤット島だ。圧倒的なオイルマネーによる新たなアート市場としての期待がある一方、近隣のアート・ドバイが地政学的リスクによる日程延期を余儀なくされるなどの課題もある。フリーズ・アブダビの今後の発表を待ちたい。
フリーズ・アブダビ
日程:2026年11月予定
会場:マナラット・アル・サーディヤット
18. ART021上海コンテンポラリー・アートフェア(中国)

11月初旬の「アートウィーク東京」や京都の「Art Collaboration Kyoto(ACK)」の翌週に幕を開ける上海のアートウィークの中核をなすフェアだ。2013年の設立以来、巨大な中国アート市場への重要な参入窓口として機能している。アジア圏の有力画廊から、欧米のトップギャラリーまで幅広く集結し、絵画、彫刻、インスタレーションなどの現代アートが一堂に会する。
ART021上海コンテンポラリー・アートフェア
日程:11月12日(木)~15日(日)
会場:上海展覧センター
19. ウエスト・バンド・アート&デザイン(中国)

ART021と並んで開催されるウエスト・バンド・アート&デザインも秋の上海のアートシーンを牽引する重要なフェアだ。かつての工場地帯を再開発した西岸(ウエスト・バンド)を舞台に、国内外の主要ギャラリーのプレゼンテーションを見ることができる。昨年はタデウス・ロパック、ハウザー&ワース、ホワイト・キューブなどが出展し、セールス面でも成功が報告された。この2つのフェア以外にもサテライトプログラムが充実しており、地元のリンシード・ギャラリーが主催した「ハング・オーバー・シャンハイ(Hang Over Shanghai)」などインディペンデントでエネルギッシュな企画も注目したい。
ウエスト・バンド・アート&デザイン
日程:11月10日(火)~15日(日)
会場:ウエスト・バンド・アート・センター
20. NADAマイアミ(アメリカ)

マイアミ・アートウィークにおいて、最先端のトレンドをキャッチできる注目のサテライトフェアだ。メインフェアであるアート・バーゼル・マイアミ・ビーチに比べ、若手ギャラリーによる新進アーティストの作品が中心となる。毎年世界中から150以上のギャラリーが参加し、次世代の注目株を発掘する場として機能している。アート・バーゼル・マイアミ・ビーチの開催より1日早くオープンするため、初日に足を運ぶコレクターや美術関係者が多い。
NADAマイアミ
日程:12月1日(火)~5日(土)
会場:アイス・パレス・スタジオ
21. アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ(アメリカ)

グローバルなアートマーケットの1年を締めくくる最も重要な舞台であり、世界最高峰のアートフェアのひとつがこのフェアだ。12月でも温暖なマイアミの気候も手伝い、欧米をはじめ世界中から多くのアートラバーが訪れる。絵画から大規模なインスタレーションまで、多様なジャンルの作品が一堂に会するのが特徴だ。昨年は話題のデジタル・アートや約27億円のアンディ・ウォーホル作品が注目を集めた一方、冷え込む市場環境を背景に出展を取りやめるギャラリーが見られるなど、マーケットの変化を感じさせた。今年はどのような初出展ギャラリーが新たな風を吹き込むのかが見どころになるだろう。
アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ
日程:12月4日(金)~6日(日)※12月2・3日はVIPプレビュー
会場:マイアミビーチ・コンベンションセンター