映画『ジダン 神が愛した男』の特別上映も! グッゲンハイム美術館がW杯をライブ配信
FIFAワールドカップの開催にあわせ、ニューヨーク・グッゲンハイム美術館が期間限定で「スポーツバー」となる。館内レストランでの一部試合をライブ配信するほか、ダグラス・ゴードンとフィリップ・パレーノによる映像作品『ジダン 神が愛した男』もループ上映する。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館は、金曜日の午後にFIFAワールドカップの一部試合をライブ配信すると発表した。会場となるのは、館内レストラン「ザ・ライト」に期間限定でオープンする「フランク・パブス」。同館はこのプログラムについて、来館者が軽食をとりながらワールドカップを観戦し、その興奮を分かち合える空間をつくる試みだと説明している。ビューイングイベントは、美術館の会員、または当日の入館チケットを持つ来館者であれば無料で参加できる。
上映予定の試合には、カナダ対ボスニア・ヘルツェゴビナ、アメリカ対オーストラリア、ノルウェー対フランスのほか、D組2位とG組2位が対戦するベスト32の試合、準々決勝が含まれている。
ワールドカップの上映にあわせて、グッゲンハイム美術館はダグラス・ゴードンとフィリップ・パレーノによる映画『ジダン 神が愛した男』(2006)も公開する。公開20周年を迎える本作は、ジズーの愛称で親しまれるミッドフィールダー、ジネディーヌ・ジダンがレアル・マドリードでプレーする姿を追ったドキュメンタリー作品だ。同館は今回の企画について、次のような声明を発表している。
「このイベントは、来館者の皆様に試合を余すところなく楽しんでいただくとともに、サッカー界で最も象徴的な選手の一人が見せる芸術性、そして世界中の人々を結びつけるこのスポーツならではの喜びを称えるための試みです」
本作は、ゴードンとパレーノがスタジアムの周囲に設置した17台のカメラによる映像をもとに構成されている。通常のサッカー中継がボールの行方を追うのに対し、本作のカメラは、たとえボールが別の場所にあってもジダン本人を捉え続ける。今回の展示では、編集版の映像に加え、17台のカメラのうち1台が記録した未編集の映像も別のスクリーンで上映される。約1時間半の上映中、その映像はところどころで編集版とシンクロする仕組みになっている。
フランスを代表する名選手のひとりであるジダンは、2006年のワールドカップ決勝でイタリアのマルコ・マテラッツィに頭突きを見舞い話題となった。この試合はプロの現役キャリア最後のピッチだったが、この行為によって主審からレッドカードを提示され、退場処分となった。現役引退後、ジダンはかつて所属した古巣のレアル・マドリードの監督を、2016年から2018年、そして2019年から2021年の2度にわたって務めた。
『ジダン 神が愛した男』は、ワールドカップ開催期間にあたる6月11日から7月19日まで、グッゲンハイム美術館のピーター・B・ルイス・シアターで、開館時間中にループ上映される。今回の展示は、同館の収蔵作品を掘り下げて紹介する「Collection in Focus」シリーズの一環として行われる。同館のメディア&パフォーマンス・アート担当キュレーター、ナット・トロトマンは、本作について次のように述べている。
「この作品は、グッゲンハイム美術館が所蔵するビデオおよびタイムベースド・メディア作品の中でも重要な一点です。ダグラス・ゴードンとフィリップ・パレーノによるこの見事なビデオ・インスタレーションは、観客をひとりのサッカー選手の世界へと引き込み、プレーするアスリートの心理や身体感覚に深く迫ります。サッカーボールの動きを追う従来の中継とは異なり、アーティストたちは一人の人間に焦点を当てています。それによって観客は、技術、名声、そして純粋な意思の強さが織りなす、複雑でありながら親密な肖像に没入できるのです」
(翻訳:編集部)
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