クアラルンプールで「ART KL」が10月に始動。1990年以降生まれのアーティストをフィーチャー
東南アジアの次世代アーティストに焦点を当てた新たなアート・プラットフォーム「ART KL」が、マレーシア・クアラルンプールで始動する。初開催となる今回は、1990年以降に生まれた作家に焦点を当て、東南アジア各地から10のギャラリーが参加する。

東南アジアの新進アーティストに特化したアート・プラットフォーム「ART KL」が、2026年10月15〜18日にかけて、マレーシア・クアラルンプールで初開催される。
1990年以降に生まれた作家に焦点を当てるART KLは、実験的なアプローチや新たな才能との出会い、そして世代を超えた交流を軸に構想された。このプラットフォームはまた、文化や社会、テクノロジーの変化を映し出す若手作家の表現を前面に打ち出すことを目的としており、参加ギャラリーは、それぞれ1〜2名の作家による展示を行う予定だ。若手作家の実践をアートマーケットの周縁ではなく中心に据えようとするこの試みについて、イベントコンサルタントを務めるリチャード・コー・アート・アドバイザリーの創業者、リチャード・コーは次のように語る。
「ART KLは、次世代を担う東南アジアのアーティストと、かれらの活動を支えるコミュニティのためのプラットフォームとして立ち上げられました。活力あるアートのエコシステムを育むには、つながりと対話、そしてコラボレーションが欠かせません。アーティスト、ギャラリー、コレクター、キュレーターを結びつけることで、新たな発見と交流の機会を生み出すとともに、クアラルンプール、そして地域全体の現代アートを支える関係をより強めていきたいと考えています」
ギャラリー展示に加え、マレーシア人アーティストによるサイトスペシフィックなインスタレーションも特別プログラムとして展開される。参加作家は、ファルハン・リズワン(Farhan Rizuwan)、リー・モック・イー(Lee Mok Yee)、ナジブ・バマダジ(Najib Bamadhaj)をはじめとする8人。作品はいずれも会場とその周辺環境を踏まえて制作され、空間そのものを生かした展示となる予定だ。今回はマレーシア人作家を対象とし、次回以降は東南アジア全域の作家へと対象を広げる予定だ。
商業展示と並行して、ART KLではアーティストやコレクターから寄贈された作品によるチャリティー・オークションも実施する。オークションの収益は全額、支援を必要とする子どもや孤児に住居、ケア、教育などを提供するクアラルンプールの非営利団体、ザ・ライトハウス・チルドレンズ・ウェルフェア・ホーム(The Lighthouse Children’s Welfare Home)に寄付される。
会場となるA Place Where(APW)は、クアラルンプールの南西に位置するバンサーにある印刷工場をリノベーションした複合施設だ。その空間を生かし、ART KLではギャラリー展示やインスタレーションに加えて、トークやパネルディスカッションなどのパブリックプログラムも展開する。こうした教育普及の取り組みを通して、東南アジアの新進アーティストによる現代アートの実践への理解を深めることを目指す。