金属探知機愛好家、ドイツの畑で「兵士の貯金6年分」の古代銀貨934枚を発見

ドイツ西部の畑で、金属探知機愛好家が古代ローマの銀貨934枚を発見した。ハドリアヌス帝の時代に埋められたとみられ、同時代の銀貨群としては国内最大。総重量は約3.1キロに上る。

ドイツ西部ヴェッセリングの畑で発見された銀貨。現在はLVR州立博物館ボンで展示されている。2026年9月22日撮影。Photo: Rolf Vennenbernd/picture alliance via Getty Images

ドイツ西部ヴェッセリングの畑で、金属探知機愛好家のオリヴァー・リードルが、古代ローマの銀貨934枚を発見した。銀貨はデナリウス貨と呼ばれ、ローマ皇帝ハドリアヌスの治世(117~138年)に埋められたとみられる。

Live Scienceによると、リードルは州の許可を得て金属探知機を使用し、地域の考古学当局による研修も受けていた。銀貨を15枚掘り出しても探知機の反応が続いたため、それ以上は掘らず、当局に連絡したという。「地中にはもっと大きなものがあると分かりました。そこで、すぐに当局へ知らせたのです」と振り返る。

連絡を受けた専門家が発掘した結果、ハドリアヌス帝時代に埋められた銀貨群としてはドイツ国内最大となる、934枚が見つかった。最も新しい銀貨は124年か125年に鋳造されたものだという。

ドイツ西部ヴェッセリングの畑で発見された銀貨。Photo: Marcel Zanjani/LVR-Amt für Bodendenkmalpflege im Rheinland
ドイツ西部ヴェッセリングの畑で発見された銀貨。Photo: Marcel Zanjani/LVR-Amt für Bodendenkmalpflege im Rheinland

ラインラント地方埋蔵文化財保護局によると、銀貨の総重量は約3.1キロ。2世紀の第2四半期に意図的に埋められた可能性が高い。同局長で州の考古学責任者を務めるエーリヒ・クラッセンは、ABCニュースの取材に対し、持ち主が財産を安全に保管しようとしたのではないかと推測している。なぜ回収されなかったのかは分かっておらず、「持ち主が銀貨のことを誰にも伝えられないまま亡くなったのかもしれません」とも語った。

誰が埋めたのかも謎だ。同局の研究員ラヘル・オッテによると、当時のローマ軍団の一般兵士の年俸は銀貨300枚にあたる300デナリウスで、その約半分は食費や装備代として差し引かれた。今回見つかった934枚を蓄えるには、自由に使える収入を約6年間、全て貯金する必要があったという。

紀元前39年から西暦459年にかけて、将軍マルクス・ウィプサニウス・アグリッパのもとで、ローマ人はライン川沿いに帝国の国境を拡大し、軍事拠点を築いた。この拠点はのちにコロニア・アグリッピナ、すなわち現在のケルンとなった。

発見された銀貨は州の所有物となり、リードルには報奨金が贈られる。銀貨は現在、近隣のLVR州立博物館ボンで一般公開されている。(翻訳:編集部)

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