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宝探しファンが鉄器時代の宝物を金属探知機で発見。牛の頭の取っ手のある鉢も

2019年3月、金属探知機を持ってイギリス・ウェールズのラントリサント・バウルにある牧草地で宝探しをしていた男性が、2000年前の宝物を発見した。

イギリス・ウェールズのラントリサント・バウルで出土した鉢。牛の頭をかたどった取っ手がついている。Photo: Courtesy National Museum Wales

4月末にイギリス・ウェールズの国立博物館機構がマクラッチーニュースとの共同プレスリリースで発表したところによると、この宝物を発見したジョン・マシューズによる地元の文化財当局への報告をもとに、詳しい考古学調査が行われていた。発掘に携わった考古学者のアデル・ブリッキングは、ツイッターにその驚きと喜びを投稿している。

調査チームによると、完全な形で出土した2点を含む8点の遺物は鉄器時代のもので、西暦1世紀後半のローマ帝国によるブリテン征服の頃に埋められた可能性が高いという。

出土品の1つに、牛の頭をかたどった金属製の取っ手がついた鉢がある。牛の角は弓なりに曲がり、顎の先は弧を描いて輪になっている。

また、壊れた取っ手のついた古代ローマ時代の鍋、木製の樽2個の破片、銅の金具が付いた鉄器時代の桶、やはり鉄器時代の銅の大鍋とざる状の容器などもあり、金属でできた桶型の台には黒とオレンジの抽象的な装飾が施されている。

プレスリリースの中で発見者のマシューズは、「ウェールズと私たちの祖先に関する、とても貴重なものを発見できて光栄に思っています」と述べている。

ウェールズ国立博物館機構は、第三者委員会による評価を受けたのちにこの遺物を取得することを検討中だ。(翻訳:石井佳子)

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