金属探知機愛好家親子が畑で大発見。「子どものおもちゃ」と思った金属片が古代ローマのブローチだった!

イギリス南部、ドーセット州ドーチェスターの畑で金属探知機愛好家親子が2000年前の青銅製ブローチを発見した。ブローチは現在、宝物認定の調査が行われている。

イギリス南部の畑で見つかった古代ローマ時代のブローチ。Photo: BBC Spotlight

イギリス南部、ドーセット州ドーチェスターに在住する金属探知機愛好家のマーティン・ターナーとその息子が自宅付近の畑を調査したしたところ、青銅製のブローチを発見したとBBCが伝えた。

畑の探索を始めてわずか15分後の出来事だった。ターナーは最初「子どものおもちゃかもしれない」と思って成果物を入れるための大きな袋に放り込み、自宅で清掃した時に青銅製の古いブローチであることに気が付いた。ターナーはインデペンデント紙に、「清掃中に簡単に壊してしまう可能性がありました。(壊れなかったのは)神に感謝です」と語った。

ターナーはブローチを地元の発見品連絡担当者に送り、担当者はその年代を1800年から2000年前のものである可能性が高いとした。それは43年から410年頃まで続いたローマ帝国によるブリテン島統治の時代にあたる。ターナーはインデペンデント紙の取材に対して、「ブローチを見つけた畑はローマ帝国の街道からは外れていますが、当時この場所には教会があったと考えられています。ブローチは教会へ通っていた誰かのものだった可能性があります」と説明した。

古代ローマのブローチを見つけたマーティン・ターナー。Photo: BBC Spotlight

現在54歳のターナーとその息子は、この地域に引っ越してきたことをきっかけに、3年前から趣味として金属探知機を使った探索を始めた。ターナーはBBCに、「どの畑に行っても何かを見つけます。これまでプラスチック容器13個分の遺物を集めました」と話す。今までで一番の発見は青銅器時代の斧頭14個で、これらは現在、ロンドンの大英博物館に所蔵されている。

イギリスが1996年に制定した宝物法の下で遺物が宝物として分類されるには、一般的に少なくとも300年以上古いもので、硬貨でない場合は、重量の少なくとも10%が貴金属(金または銀)を含んでいなければならない。同法は2023年に改定され、歴史的、考古学的、または文化的に卓越した重要性があると認められるものであれば、200年以上でも宝物として認められるようになった。

今回発見されたブローチは現在、発見品連絡担当者による宝物認定を待っている状態だ。もし宝物と認められ、博物館が取得した場合には発見報酬がターナーに与えられる。宝物と認定されなかった場合はターナーに返却され、畑の所有者にも通知される。彼は、自分の元にブローチが戻ってきたら、畑の土地所有者の1人に誕生日プレゼントとして贈るかもしれないと話した。

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