研究者も困惑。金属探知機愛好家がルーマニアの丘で時代の異なる遺物を発見

ルーマニア金属探知機愛好家が発見した埋蔵品が、考古学者たちの注目を集めている。地中から見つかったのは、数千年前の金製の首飾りや斧などの多数の遺物群。その正確な年代や埋納の目的をめぐって、謎が浮上している。

ブカレスト北東部で金属探知機愛好家が見つけた遺物群。Photo: X/Tom Marvolo Riddle

ルーマニア金属探知機愛好家が、地中から金製の首飾りをはじめとする多数の遺物を発見した。Greek reporterが伝えた。

発見者はある日曜日の午後、ブカレスト北東部のプラホヴァ県にある人里離れた丘の上を探索していた。その際、金属探知機が大きな石の近くで強い反応を示した。付近の地面を約25センチ掘り下げると、小型の車輪状の鉄製遺物が円を描くように並んでおり、その中央から重い金製の螺旋状の遺物3点が見つかった。当初、これらはブレスレットのように見えたが、その後の分析によって、実際には首に着ける装身具(トルク)であることが判明した。遺物は狭い空間に収まるよう強く巻かれた状態で埋納されていたという。

発見者は周辺も調査したが、追加の遺物は見つからなかった。翌朝、ルーマニアの文化財保護法に基づき、発見された埋蔵品はプラホヴァ県文化局へ引き渡された。

その後、遺物はプラホヴァ歴史考古学博物館に移送され、専門家による初期調査が行われた。プラホヴァ県を拠点とする先史考古学者のアリン・フリンクレアサは、この発見を「ルーマニアでは極めて例外的な事例」と評価している。

ブカレスト北東部で金属探知機愛好家が見つけた遺物。Photo: X/Tom Marvolo Riddle
ブカレスト北東部で金属探知機愛好家が見つけた遺物。Photo: X/Tom Marvolo Riddle

その理由の一つは、遺物の年代特定が難しい点にある。首飾りのうち1点には、青銅器時代(紀元前3300年頃~紀元前1200年頃)の土器に見られる文様に似た打刻装飾が施されていた。一方で、ほかの遺物には第一鉄器時代(紀元前1200年頃~紀元前450年頃)初頭のものを思わせる形状も確認されている。素材や形状、装飾様式が混在していることから、考古学者たちの間では、遺物は別々に制作された後にまとめて埋納されたのか、もしくは同地域の青銅器時代から初期鉄器時代にかけての年代観(クロノロジー)を再考する必要性があるのか大きな関心を集めている。また、小型の斧や鉄製の車輪状遺物の存在も、この埋蔵品をめぐる謎を深めている。

また、金製の首飾りが丁寧に巻かれた状態で置かれ、その周囲を鉄製の車輪状遺物が囲むように配置されていた埋納方法も注目を集めている。研究者たちは、遺物群が偶然失われたものではなく、意図的に埋められた可能性が高いとみている。こうした埋納状況は、何らかの儀礼行為、あるいは危機的な状況のなかで財産を隠した行為を示している可能性があるという。

研究者たちは現在、この謎を解明するため、発見地点周辺にかつて集落や墓地、祭祀遺跡が存在したかどうかを調査している。今後は金属成分の分析も進められる予定だ。金の産出地や加工技術が明らかになれば、先史時代のルーマニアにおける交易ルート、人々の移動、さらには金属加工の伝統について新たな知見が得られると期待されている。

保存・研究作業の完了後、これらの遺物はプラホヴァ歴史考古学博物館で一般公開される予定だ。

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