処刑された国王への忠誠の証? 金属探知機愛好家が「矢に貫かれたハート」を発見

イギリスの畑で、金属探知機愛好家が17世紀のハート形ロケットペンダントの一部を発見した。王政廃止後、王党派が処刑されたチャールズ1世を悼み、王への忠誠をひそかに示すため所持していたとみられる。

畑から見つかった17世紀のロケットの一部。Photo: X/@BBCShropshire

イギリス・シュロップシャー州で2025年、金属探知機を使って探索していた男性が、17世紀のロケットペンダントの一部を発見した。BBCが報じた。

発見したのは、地元で数々の遺物を掘り出してきたベテランの金属探知機愛好家クリス・ラングストン。オズウェストリー近郊の畑で探知機が反応したときも、特別なものが埋まっているとは思わなかったという。掘り出されたのは小さなハート形の物体で、当初は馬具から外れて地中に埋まった部品だと考えていた。

しかし、詳しく調べると、表面には2本の矢に貫かれたハートと、その下に落ちる一滴の血が刻まれていた。ラングストンは、歴史的に重要な品かもしれないと気づいたという。

発見から約1年後、検視官による審理を経て、この品は英国法上の「トレジャー」に認定された。ここでいうトレジャーとは単なる「宝物」ではなく、年代や材質など法律で定められた条件を満たす出土品を指す。

ラングストンによると、担当者からは「チャールズ1世の死を悼んでつくられた、メメント・モリのロケットとみられる」と説明されたという。

イングランド王チャールズ1世(1600–1649)は、清教徒革命(イングランド内戦)で敗れた後に裁判にかけられ、1649年に処刑された。その後、王政は廃止され、イングランドには共和政が敷かれた。王への忠誠を保ち続けた人々にとって、その信念を公然と示すことは難しくなり、身近に置く小さな品を通して、ひそかに王党派としての立場を表すようになった。

大英博物館によると、キャヴァリアとも呼ばれた王党派は、チャールズ1世の肖像とともに、「私は忠誠のうちに生き、忠誠のうちに死ぬ」「私に続く覚悟をせよ」といった言葉を刻んだメダルや指輪、ハート形のロケットなどを身につけたり、身体の近くに保管したりしていたという。

ラングストンは、今回の発見品について次のように説明している。

「これはロケットの表側に当たる部分です。共和政の時代にこうした品を持っていることが知られれば、大変なことになったでしょう。そのため、王党派の人々は人目につかないよう身につけていたのです」

本来は、発見された部分と、鎖を通す輪を備えたもう一方の部品が組み合わされ、その内側にチャールズ1世の小さな型押し肖像が収められていたとみられる。しかし、後半部分と肖像は失われており、現在は残っていない。

イギリスでは、発見品がトレジャーに認定されると、博物館や専門家に情報が共有され、博物館には取得を希望する機会が与えられる。取得が決まった場合、発見者や土地所有者らには原則として報奨金が支払われるが、ラングストンは過去の発見と同様、今回も受け取る権利を放棄したという。その理由を次のように話した。

「この趣味からは、お金を受け取らなくても十分すぎるほど多くのものを得ています」

大英博物館がすでに類似品を所蔵していることから、発見品はラングストンのもとへ返還された。今後は、彼がこれまで発見した数々の出土品とともに、オズウェストリー・タウン・ミュージアムで展示される予定だ。

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