古代ローマにも「ガラガラ」があった──金属探知機愛好家が約1800年前の遺物群を発見

イギリス・バッキンガムシャーで、ローマ時代にさかのぼる青銅製品などの遺物群が発見された。宗教儀式に使われた可能性のあるラトルや奉納用とみられる斧頭などが出土している。

儀式などで使われていたとされる青銅製のラトル。Photo: Coutesy of Portable Antiquities Scheme

イギリス・バッキンガムシャーのチルターン丘陵で、金属探知機愛好家がローマ時代に作られた青銅製の遺物群を発見した。出土品には、がらがらのように振って音を鳴らすラトルが含まれており、宗教儀式に使われた可能性があるという。

発見者のアダム・マクレランドは4月、土地の管理者の許可を得て探索していたところ遺物群を発見し、地域の出土品を記録する担当者に届け出た。これを受け自治体は、オックスフォード・アーキオロジーに発掘調査を委託し、全英金属探知愛好家協会(NCMD)とともに現地調査を実施した。

調査では、幅約0.5メートル、長さ約1メートルの石で囲まれた穴が確認され、その一部は発掘区の外側まで続いていた。ここからは、エナメル装飾の留め金具2点、ガラス製のゲーム用駒1点、同心円状の模様が施された骨製のサイコロ1点のほか、装飾が施されたラトルなど複数の青銅製品が見つかった。ラトルは非常に脆い状態だったものの、振った際に音を鳴らす内部の小片を含め、その大部分が回収された。

さらに、奉納用とみられる小型の斧頭4点も出土した。このうち1点は、刃の部分に装飾が施されたが刻まれた珍しいものだ。また、周辺から採取した土壌試料からはわずかな繊維の痕跡が検出されており、遺物群は袋に入れるか布で包んだ状態で埋められた可能性がある。

一般市民が発見した遺物を記録するポータブル・アンティクィティーズ・スキーム(PAS)のデータベースによれば、遺物群は主に銅合金製で、西暦150〜230年ごろのものと推定されている。エナメル装飾の留め金具には、チェック柄の円形文様が施されており、馬具やくつわに取り付けられていたと考えられている。このほか、左右に獅子の頭部を配した留め具も見つかっており、家具や小箱の装飾に使われていたとみられる。また、2〜3世紀ごろにバッキンガムシャー周辺で流通していた模造貨幣も出土しており、遺物群の年代推定とも一致する。

4つの斧頭には、精緻な装飾が施されている。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
馬具やくつわに使われていたと考えられる留め金具。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
獅子の装飾が施された留め具は、家具や小箱の装飾だと考えられている。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
発掘された模造硬貨。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
骨で作られたサイコロ。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
ガラスで作られた円形の遺物。ゲームの駒として使われていた可能性があるという。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme
穴から見つかった繊維の破片。Photo: Courtesy of Portable Antique Scheme

ラトルは、1789年に発見され、現在は大英博物館が所蔵する「ストーニー・ストラトフォード」の遺物群から出土した類例と形状がよく似ている。今回見つかったものは大きく潰れているものの、持ち手は残っているほか、本体には三日月形の部品4点がはんだ付けされていた痕跡が確認できる。ストーニー・ストラトフォードの類例にも、同様の痕跡が残されているという。

発見者と地権者は遺物群をアイルズベリーのディスカバー・バックス・ミュージアムに寄贈した。保存修復費用は個人の寄付者が負担し、現在は同館で展示されている。同館のCEOを務めるサム・メイソンは、考古学メディアThe PASTに対し、「寛大な支援が寄せられたことで、発見から展示まで円滑に進めることができた」と語る

あわせて読みたい