牛の鼻輪と勘違い、金属探知機愛好家が“完全な状態”の金製腕輪3点を発見──推定6300万円超

イングランド北部の農地で、金属探知機愛好家が青銅器時代の金製腕輪3点を発見した。完全な状態で複数出土するのは極めて珍しく、その価値は40万ドル(約6300万円)超とみられている。

カーライル周辺で見つかった青銅器時代の金製腕輪。Photo: Facebook/Alan Daniels

5月下旬、イングランドスコットランドの境界に近いカーライル周辺で開かれた金属探知機愛好家のイベントで、男性2人が「トルク」と呼ばれる青銅器時代の金製腕輪3点を発見した。英大衆紙ザ・サンなどが報じた。

イベントには数十人が参加し、4日間にわたって約190ヘクタールの土地を探索した。参加者の1人で、スコットランド南西部エアシャーのキルウィニングに住む34歳のガス設備技師アンディ・クラモンドは、耕されたばかりの畑で、地表から数センチの深さに埋まっていた最初のトルクを発見した。

スミソニアン誌によると、クラモンドは当初、それを牛の鼻輪だと思ったという。しかし、「牛の鼻輪にしては輝きすぎている」とすぐに気づいた。発見時の心境については、「心臓発作を起こしそうでした」と振り返っている。

クラモンドが、一緒に参加していた48歳のアラン・ダニエルズに発見を知らせると、ダニエルズも周辺の捜索を開始。数分後には2点目のトルクを見つけた。2人がイベントの係員に報告したため、現場一帯は立ち入り禁止となった。その後も捜索を続け、最初の2点が見つかった場所から約6メートル離れた地点で、3点目を発見した。

ダニエルズは、農耕用のすきの刃がトルクに当たり、地表近くまで押し上がったことで、相次ぐ発見に繋がったのではないかとみている。

写真左から:土地所有者のリチャード・フォーブス、アラン・ダニエルズ、アンディ・クラモンド。Photo: Facebook/Ste Murphy
カーライル周辺で見つかった青銅器時代の金製腕輪3点。Photo: Facebook/Alan Daniels
青銅器時代の金製腕輪。Photo: Facebook/Alan Daniels
地中に埋もれる金製腕輪。Photo: Facebook/Alan Daniels
青銅器時代の金製腕輪。Photo: Facebook/Alan Daniels

3点は紀元前1100年頃、イギリスにおける中期青銅器時代の終わりから後期青銅器時代の初めにかけて作られたと推定されている。いずれも22金以上の純度を持ち、総重量は518グラムに達する。地位の高い富裕層が身につけていたとみられ、豊作を願う供物として神々に捧げられたか、集落への襲撃を恐れた所有者が隠した可能性が指摘されている。

ランカシャー大学の考古学者ジム・モリスは、同種のトルクは断片で見つかることが多いとして、今回の3点を「驚くべき発見」と評価する。そして次のように付け加えた。

「完全な状態のものが1点見つかるだけでも珍しく、3点そろって出土するのは、さらにまれです」

3点は現在、大英博物館で鑑定が進められており、今後、検視官が1996年宝物法に基づく「宝物」に該当するかを判断する。宝物と認定された場合、博物館などの公的機関に市場価格で取得する機会が与えられ、発見者と土地所有者に報奨金が分配される。取得を希望する機関がなければ発見者に返還され、オークションに出品することもできる。英紙テレグラフによれば、3点の価値は合わせて40万ドル(約6300万円)を超えるという。

ダニエルズによれば、2人は数年前から一緒に金属探知を続けてきたものの、これまで価値のあるものを見つけたことはなかった。今回のイベントへの参加も直前に決めたもので、ダニエルズは内心、「行っても何も得られないだろう」と考えていたという。探索を始めて約2時間がたっても、見つかったのはアルミ缶の破片ばかりだったが、場所を移したことで歴史的な発見に至った。彼は次のように語った。

「私たちはお金のためではなく、仲間との交流を楽しむために金属探知をしています。これまで価値のあるものを見つけたことはなく、いつもがっかりして帰っていましたが、今は違います」

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