ジェームズ・タレル最新作は「マイアミの色彩」が着想源。スーパーブルー・マイアミで公開開始
光と空間による没入型アートで知られるジェームズ・タレルの最新作が、フロリダ州・マイアミの「スーパーブルー・マイアミ」で公開された。同施設ではこれまで、タレルのほかにチームラボやエス・デヴリンなどの展示も行われている。

マイアミのアラバタ地区にある没入型アートミュージアム、スーパーブルー・マイアミが、開設5周年を記念してジェームズ・タレルの「ガンツフェルト」シリーズ(1976-)最新作《Blue Sea Sky》(2026)を公開したとアートネット・ニュースが報じた。
タレルは、1960年代から70年代に南カリフォルニアを中心に展開されたライト&スペース運動の主要作家で、過去50年にわたりガンツフェルト効果(ガンツフェルトはドイツ語で「全体野」の意)を用いた作品を制作してきた。
ガンツフェルト効果とは、視界全体に均一な光が広がることで境界や奥行きが分からなくなる現象だ。16歳でパイロット免許を取得し、飛行機を操縦して空を飛んできた経験と知覚心理学への関心に基づく「ガンツフェルト」シリーズの作品は、ごく普通の空間を豊かな色彩で満たすことで鑑賞者の感覚に揺さぶりをかける。
《Blue Sea Sky》では、青い海、緑のヤシの葉、オレンジ色の夕焼け、そしてアール・デコ調のピンクのネオンなど、スーパーブルー・マイアミ周辺の風景に着想を得た色彩の移り変わりを体験できる。なお、タレルは同じシリーズの《AKHU》(2021)を、2021年5月のスーパーブルー・マイアミ開館時に貸し出していた。新作はそれに代わるものとなる。
スーパーブルーの共同創設者兼チーフキュレーター、モリー・デント=ブロックルハーストは声明で次のように述べている。
「《Blue Sea Sky》は純粋な色彩に没入する体験を共有することで人々を結びつけ、また、人間の知覚の限界を押し広げるものです。タレルについて語るとき、その素晴らしい言葉の一つを取り上げないわけにはいきません。彼はこう表現しています。『(中略)消費至上主義や物質主義の時代に私が広めようとしているのは、青い空や色を帯びた空気なのです』」
《Blue Sea Sky》は、スーパーブルー・マイアミ開館後に収蔵された5点目の新作アートとなる。他の作品には、たとえば2023年に設置されたラファエル・ロサノ=ヘメルの光と音のインスタレーション《Pulse Topology》(2021)がある。同作では、鑑賞者の心拍が頭上に吊り下げられた光の明滅に反映される仕組みになっている。
タレルは、この6月にもデンマークのアロス・オーフス美術館(ARoS Aarhus Art Museum)で、「スカイスペース」シリーズ100作目となる《As Seen Below》(2026)を公開した。直径約40メートル、高さ約16メートルのドームに直径約6メートルの開口部がある同作は、美術館に設置された「スカイスペース」シリーズの作品としては過去最大規模のものだ。(翻訳:石井佳子)
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