田口弘、田口美和(Hiroshi Taguchi and Miwa Taguchi)

拠点:日本・東京
職業:ミスミグループ本社創業者(卸売業)
収集分野:日本国内外の現代アート

田口弘は、ファクトリーオートメーションや金型などの分野で国際的な事業を展開するミスミグループ本社の創業者の1人。ミスミの社長在職時にアメリカのポップアートを中心とした「ミスミコレクション」を構築し、その後に開始した個人コレクションでは、日本や世界各国の著名アーティストの作品へと収集対象を拡大。現在では500点以上の作品を所有している。

2002年にミスミの代表取締役社長を退いた田口は、「タグチアートコレクション」と名付けた自身のコレクションの構築に注力する。2013年、長女の田口美和が、作品の取得や全国での展覧会開催など、同コレクションの運営に参画。美和はUS版ARTnewsに、「タグチアートコレクションの重要な使命は、全国で現代アートを楽しむ機会を提供すること」であり、「みんなに見てもらうためのコレクション」を目指していると説明した。「質の高い作品を公開できるよう、常にコレクションの充実を図っています。とてもエキサイティングな仕事です」

所有作家は、草間彌生、杉本博司、村上隆、曽根裕、奈良美智、オノ・ヨーコといった日本のアーティストから、コラクリット・アルナノンチャイ、マシュー・バーニー、マウリツィオ・カテラン、オラファー・エリアソン、エイドリアン・ゲニー、ラシッド・ジョンソン、ピピロッティ・リスト、ウーゴ・ロンディノーネ、ケヒンデ・ワイリー、キース・ヘリングなどまで、出身国も使用するメディウムも幅広い。中でも、田口が1980年代に街中で偶然出会ったキース・ヘリングの作品は、アート収集を始めるきっかけになったという。

2022年の新たな取得作品には、ライアン・ガンダー、インカ・ショニバレCBE、カデール・アティアのほか、2021年から22年にかけて東京都現代美術館で過去最年少で個展を開催したEUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ、寒川裕人)がある。そのうち、《Time Well Spent》(2019)と題されたガンダーの自動販売機型インスタレーションでは、実際にガンダーのエディション作品などが買える。美和は、「全国の美術館で開催されるコレクション展にこの自動販売機を置いて、作家の作品をあちこちで販売するのも面白いと思いました」と語っている。

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