バーナード・ランプキン、カーマイン・ボッカッツィ(Bernard Lumpkin and Carmine Boccuzzi)

拠点:アメリカ・ニューヨーク
職業:フィランソロピスト、法律家
収集分野:現代アート(主にアフリカ系の新進アーティスト)

世界のトップコレクターの多くは、自分のコレクションに加える作品を選ぶのにアートアドバイザーを使う。しかし、バーナード・ランプキンはアドバイザーに頼むことはない。2020年に彼は、カルチャーメディアのDazedにこう語っている。「アートアドバイザーがいるのですかと、よく聞かれます。そういうときには、私にはたくさんのアドバイザー、つまりキュレーター、アーティスト、ギャラリスト、他のコレクターなどがついていますよと答えます。つまり、自分でリサーチして、人と話して、自分の目を鍛えるんです」

ランプキンとパートナーのカーマイン・ボッカッツィが所有しているのは、ケリー・ジェームズ・マーシャル、デリック・アダムス、カラ・ウォーカー、リネッテ・イアドム=ボアキエ、ヘンリー・テイラー、ラシッド・ジョンソンなどのスター作家、そしてセーブル・エリス・スミス、ポール・ムパギ・セプヤ、トゥンジ・アデニイ=ジョーンズ、セイディ・バーネット、ウィリアム・ヴィラロンゴといった新鋭アーティストだ。

 MTVのニュース・ドキュメンタリー部門を率いて財を成したランプキンは、2009年からコレクションを続けている。きっかけは父の死だった。彼は、黒人の父とモロッコ出身のセファルディ系ユダヤ人である母のアイデンティティについて考えるようになり、それが収集作品の選択に影響を与えているという。現在彼は、ニューヨークのハーレム・スタジオ美術館の理事兼収蔵品選定委員、スコウヒガン絵画彫刻学校の理事、ホイットニー美術館の教育委員会および絵画・彫刻委員会の委員を務め、ニューヨーク近代美術館に作品を寄贈するなど、その活動は多岐にわたる。

2019年、アントワン・サージェントとマット・ワイコフが彼のコレクションをキュレーションした「Young, Gifted, and Black」という巡回展がニューヨーク州ブロンクスビルのコンコーディア・カレッジで始まった。現在も全米を巡回中の同展に関するUS版ARTnewsの取材に、彼はこう語っている。「私にとってコレクションとは、コラボレーションとコミュニティのためにあるものです」

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