NFTがもらえるゲーム付き⁉ ビープル初の彫刻作品がアメリカの美術館で展示
数々のNFT作品で知られるデジタル・アーティスト、ビープルことマイク・ヴィンケルマンが制作した初の彫刻作品《Human One》(2021)が、7月28日からアメリカ・アーカンソー州のクリスタル・ブリッジズ・ミュージアムで展示される。
《HUMAN ONE》は直方体の側面に4つのスクリーンが取り付けられており、そこには宇宙飛行士がさまざまな風景の中を歩き回る姿が映し出されている。
この作品は2021年にクリスティーズに出品され、スイスのベンチャーキャピタリスト、ライアン・ズラーが2900万ドル(現在の為替で約40億円)という破格の高値で落札した。彼はその後、デジタルアートと伝統的なアートを結びつける活動を行うようになり、《HUMAN ONE》を世界中の美術機関へ貸し出すほか、クリスティーズとともに慈善オークションを開催している。
ズラーは今回の展示にあたり、「クリスタル・ブリッジズ・ミュージアムでの《HUMAN ONE》アメリカ初公開のために協力できることを大変嬉しく、光栄に思います。観客は、ビープルがこれほど有名なアーティストである理由、驚くべきディテールとテクノロジー、クラフトの革新的な融合に魅了されることでしょう」とプレスリリースでコメントしている。
《HUMAN ONE》はこれまでイタリアのカステッロ・ディ・リヴォリと香港のM+美術館で展示された。香港での展示後、《HUMAN ONE》の姉妹作品《S.2122》(2023)が中国・南京の Deji Art Museumに収蔵されている。
ビープルは、今回の展示にあたって作品の映像を更新し、ゲームを表示する計画を立てているという。作品に隠されたヒントを見つけた観客は、ビープルが新たに制作したNFTの鍵を開けることができる。
ビープルは《HUMAN ONE》について、「伝統的な芸術作品は、完成した瞬間に時が止まってしまいます。このアートワークは更新することで、新しい意味を加え続けることができる。それは進行中の会話に似ています」と話す。展示は2024年1月22日まで。(翻訳:編集部)
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