デイヴィッド・ホックニーによるハリー・スタイルズの肖像画が、今秋イギリスの美術館で初公開
現在、東京都現代美術館で大回顧展が開催中(11月5日まで)のデイヴィッド・ホックニー。彼が2022年に描いたワン・ダイレクションの元メンバー、ハリー・スタイルズの肖像画が、今秋ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで初公開される。
肖像画は、2022年5月、フランス・ノルマンディーにあるデイヴィッド・ホックニーのスタジオで2日間かけて制作された。黄色と赤のストライプのカーディガンにジーンズ、真珠のネックレスを身につけ、無造作にかきあげた前髪がいかにもハリー・スタイルズといった趣だ。
スタイルズは、以前からデイヴィッド・ホックニーのファンだった。2020年、彼はVOGUE誌の表紙撮影で、自身が影響を受けた様々なモチーフが描かれたコーデュロイパンツ(イラストはアーティストのアーユーシャ・コワラが手がけた)を着用しているが、その中にはホックニーの肖像画もあった。スタイルズは同誌の取材に、「デイヴィッド・ホックニーは何十年もの間、私たちが世界を見る方法を刷新してきました」と称えている。
ホックニーとスタイルズをつないだのは、ホックニーのモデルも務める音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスだ。ホックニーはある日デイヴィスから、スタイルズの新作アルバム『ハリーズ・ハウス』をプレゼントされ、後日、アシスタントを通じてスタイルズをスタジオに招いたという。「彼はすぐに、『はい、ぜひ』と返事をくれたんです」とホックニーは語っている。
ただし当時ホックニーは、スタイルズがこれほどまでの有名人であるとは知らなかったようだ。彼は特にポーズの指示を出すでもなく、椅子に座る自然体のスタイルズを描いた。「もちろん今はハリーがどれほど有名なのか知っているし、彼のミュージックビデオは全部見たよ」とUK版VOGUEに語っている。
スタイルズ(とデイヴィス)の肖像画が公開されるナショナル・ポートレート・ギャラリーの「ドローイング・フロム・ライフ」展(11月2日~2024年1月24日)では、ホックニー自身と母親、セリア・バートウェル、グレゴリー・エヴァンス、モーリス・ペインらによる様々なスタイルの作品が展示される予定だ。(翻訳:編集部)
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