アンネ&ヴォルフガング・ティッツェ(Anne and Wolfgang Titze)
拠点:スイス
職業:個人資産管理会社
収集分野:ミニマリズムおよびコンセプチュアル・アートの作品
ティッツェ夫妻は、「私たちの収集方法には鉄則があります」と、US版ARTnewsに語ったことがある。それは、「作品の前に立って実際に見ることができないのなら買うべきではない」ということだ。彼らにとって、「アート作品を手に入れることは、知性と感性の両方によって左右される決断」であり、最終的には「感性が(買うかどうかの)最終的な決定者」なのだという。
2014年、ウィーンのベルヴェデーレ冬宮で、夫妻のコンセプチュアル・アートとミニマル・アートの膨大なコレクションが「Love Story: The Anne and Wolfgang Titze Collection」というタイトルの展覧会で紹介された。そこに並んでいたのは、アンゼルム・キーファー、ソル・ルウィット、レイチェル・ホワイトリード、マリーナ・アブラモヴィッチ、デイヴィッド・アルトメイド、カール・アンドレ、マシュー・バーニー、ゲオルク・バセリッツ、ヴァレリー・ベラン、ラリー・ベル、マシュー・ブラノン、ジョン・チェンバレン、ナイジェル・クック、リチャード・ディーコン、トーマス・デマンドなどの作品だ。
2人のコレクションの中心はミニマリズムの代表的な作品で、たとえば、ダン・フレイビンが初めてネオン管を使った作品や、彫刻家でコンセプチュアル・アーティストのロバート・モリスのフェルト作品、ドナルド・ジャッドの壁に取り付けられたオブジェなどがある。また、ピエロ・マンゾーニ、オラファー・エリアソンのほか、イギリスのコンセプチュアル・アーティストであるサラ・ルーカス、イタリアの芸術運動アルテ・ポーヴェラのジュリオ・パオリーニ、ゲルハルト・リヒターやゲオルク・バーゼリッツといったドイツの戦後美術の代表的アーティスト、さらにはスターリング・ルビー、ケリー・ウォーカー、セス・プライス、クリストファー・ウールなど幅広い作品を所有している。
独ターゲス・シュピーゲル紙によると、2人はアンネがアメリカCBSのドキュメンタリー番組、「60ミニッツ」でシチリアマフィアについて取材をしているときに、パレルモのホテルで出会った。そのときヴォルフガングは、モーツァルトのピアノソナタを弾いて彼女の気を引こうとしたという。