“The Artnet Intelligence Report, Spring 2022”(アートネット・インテリジェンス・リポート2022年春版)

アートネット社は、オンラインのアート作品販売プラットフォームを基盤に、価格データベース、オンラインギャラリー、ニュース情報サイトも展開する米企業。2018年から年2回、春と秋にリポートを発行している。2022年4月12日に公開された2022年春版は、NFT(非代替性トークン)、特にデジタル技術を使ったアートの分割所有に焦点を当てた。これを事業として進める企業の創設者や、所有するコレクターらにインタビュー。また、DAO(Decentralized Autonomus Organization、分散型自律組織)が実際に美術品取引に役立つか、この新しいビジネス形態がより多くの顧客の参加を促し、アート市場が株式市場のようになるのかを、探った。

発行元:Artnet(アートネット)

アートオークションのまとめも、もちろん掲載。2021年は、過去最高額となる166億ドルの売り上げを記録。オークションで売られたアート作品は平均単価4万3672ドルと、前年比23%増だった。オンラインのみのオークションは、対面販売が再開されたにもかかわらず、計15億ドル(前年比35%増)と好調。デジタルアートは高額取引トップ10のうち4つを占めた。また、1974年以降生まれの「超現代」アーティストは、19年から21年までにオークション売り上げが305%増と、圧倒的な急成長を見せた。オークションが盛り上がっているのはアジア。アートフェアのフリーズ・ソウルが今秋に開かれる韓国は21年、過去最多かつ前年の倍以上の2億5500万ドルの売り上げを記録した。

アートの制作年代別に、超現代、現代、戦後、印象派&近代、欧州古典に分けて、高額取引ランキングも発表している。オークション売り上げ総合ランキングでは、トップ100人中、女性はわずか6人(前年比で2人減)。女性トップは草間彌生(9位)で、以下、順にジョアン・ミッチェル(36位)、クロード・ラランヌ(41位)、セシリー・ブラウン(70位)、フリーダ・カーロ(71位)、アグネス・マーティン(91位)がランク入りした。

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