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ボアード・エイプ・ヨット・クラブ(BAYC)が大規模ハッキング被害、推定300万ドルのNFTが流出

「Bored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ、略称BAYC)」のインスタグラム公式アカウントが4月25日の朝、ハッキングされたと自らのツイートで明かした。

ロット1で出品された「Bored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ、略称BAYC)」の一部のコラージュ CourtesySotheby's

この結果、エイプのNFT4点と、BAYCの生みの親であるユガ・ラブズ(Yuga Labs)の関連プロジェクトのNFT(「Mutant Apes(ミュータント・エイプス)」コレクションの7点と「Bored Ape Kennel Club(ボアード・エイプ・ケンネル・クラブ)」コレクションの3点)が盗まれたという。

BAYCの共同創設者で、ガーガメル(Gargamel)という名前で活動しているグレッグ・ソラーノ(Greg Solano)は「インスタグラムのアカウントに関するセキュリティ管理は、ユガ・ラブズ側は厳重に実施していた」とツイートした。「重要な内容はもう二度とインスタグラムに投稿しない」とも付け加えている。

BAYCはツイートのスレッドで、事件の経緯を説明している。ハッカーは、侵害されたインスタグラムのアカウントに不正なリンクを投稿した。エイプのNFTのオーナーに対し、このリンクをクリックすると特別な新機能をミント(作成・発行)できると呼びかけ、BAYCの公式サイトに見せかけた詐欺サイトに誘導した。これは実はフィッシングのリンクで、ハッカーがユーザーのイーサリアムウォレットにアクセスし、資産を盗めるようになっていた。

NFTに対するハッキングを常に監視しているZachxbtを名乗るツイッターユーザーは、そのフィッシングサイトにアクセスしたアドレスをすべて調べ上げ、盗まれた資産を特定した。今回のハッキングで77点前後、計約300万ドル(約3億9000万円)相当のNFTが盗まれ、そのうち240万ドル(約3億1000万円)相当は、より希少価値の高いわずか数点のNFTだそうだ。

「この集団による攻撃は今回が初めてではない。この件に関して、BAYCが詳細な調査を始めることを期待している」とZachxbtはARTnewsへのダイレクトメッセージで述べた。

BYACのNFTは以前にも盗まれたことがあるが、今回のような規模は初めてである。

BAYCは、ハッキングの被害者が苦情を申し立てられるホットラインを設置しているが、盗難が補償されるかどうか、どう補償されるかも明らかになっていない。ユガ・ラブズは、取材に対して回答していない。
(翻訳:清水玲奈)


※本記事は、米国版ARTnewsに2022年4月25日に掲載されました。元記事はこちら

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