ジュラ紀の恐竜の足跡を採石場で発見! 研究者らは「恐竜ハイウェイ」と命名
イギリス・オックスフォードシャー州の石灰石採石場の発掘調査で、中期ジュラ紀の恐竜が残した足跡が200以上も見つかった。中には1824年に世界で初めて発見された恐竜、メガロサウルスのものもあり、200年の節目の大発見に研究者らは喜んでいる。
オックスフォード大学とバーミンガム大学は、イギリス・オックスフォードシャー州のデュワーズ・ファーム採石場の発掘調査で中期ジュラ紀(約1億7000万年前)の恐竜が残した足跡を200以上も発見したと1月2日に発表した。
デュワーズ・ファーム採石場作業員のゲイリー・ジョンソンが重機で粘土を剥ぎ取る作業中に発見した「地面の不自然な凹凸」を2024年6月、オックスフォード大学とバーミンガム大学の研究者ら100人からなるチームで調査したところ、一帯に200個以上の恐竜の足跡が見つかったという。その後の調査により、足跡は、中期ジュラ紀に形成されたもので、5体の恐竜のものが確認出来た。4体は体長約18メートルの首長竜の草食動物、ケティオサウルスの足跡で、最後の1体は約9メートルの肉食恐竜、メガロサウルスが残したものだ。一部は、双方の足跡が交差しており、肉食恐竜と草食恐竜である両者が交流していたかどうか、また、そうだとすればどのような交流があったのかという疑問を投げかけている。
メガロサウルスは1824年に世界で初めて命名・記述された恐竜だ。今回発表された新発見は、奇しくもその存在が確認されてからちょうど200年となるメモリアルイヤーであったことから、研究者たちは歓喜しているという。ニューヨーク自然史博物館の脊椎動物古生物学者エマ・ニコルズ博士は、「学者たちはどの恐竜よりも長い間メガロサウルスに注目し、研究を続けてきました。これらの新発見は、この動物たちの痕跡がまだ存在し、発見されるのを待っていることを証明しています」とコメントした。
この発見は、中期ジュラ紀にイギリスに生息していた恐竜について新たな光を投げかけるものとして、イギリス政府が指定する学術的に重要な保護対象地域として認定された。非公式には、学者たちは恐竜の多数の足跡が交差していることから「恐竜ハイウェイ」と呼んでいる。
付近の石灰岩採石場では、1997年に40組以上の足跡が発見されているが、それらは埋もれてしまい、もはや近づくことができない。今回はそれを踏まえて足跡を丹念に発掘し、ドローンによる空撮で現場を詳細に記録した3Dモデルを構築した。
オックスフォード大学自然史博物館の地球科学者ダンカン・マードックは、「この遺跡は、恐竜の足が泥の中に出し入れされる際に、泥がどのように変形したのかがわかるほど保存状態が良好です。今後は巣穴や貝殻、植物などの他の化石の発見とともに、恐竜が歩いたラグーン環境を再現することができるでしょう」と、今後の研究成果に期待を寄せる。