2024年アート・バーゼルは287ギャラリーが参加! 知られざる作家を紹介する企画などプログラムも充実
6月10日から16日(プレビューは10・11日)の日程で、メッセ・バーゼルで開催される世界最大級のアートフェア、アート・バーゼルが出展者を発表した。今回は世界40カ国から287のギャラリーが参加し、そのうち22ギャラリーが初出展。昨年に比べて2ギャラリー増加した。
今年のアート・バーゼルは、新フェアディレクター、マイケ・クルーゼの指揮のもとでの開催だ。同フェアに参加する全287ギャラリーのうち、245ギャラリーがメインセクション「ギャラリーズ」に出展する。ガゴシアン、ペース、ハウザー&ワースといったメガギャラリーが名を連ねる一方で、コモンウェルス・アンド・カウンシル、ギャルリークレヴクール、ガガ、ティナ・キム・ギャラリーなど、以前メインセクション以外で参加していた7ギャラリーが、今年同セクションへの出展を叶えた。日本に拠点を持つギャラリーはタカ・イシイギャラリー、タケニナガワ、東京画廊B+TAP、ブラム、ペロタンが参加。
20世紀のアーティストに焦点を当てた企画展を行う「フィーチャー」セクションは、バーゼルのギャルリーミューラーが、キネティック・アートで知られるスイスの現代アーティスト、ジャン・ティンゲリー(1925-1991)の「凝縮された」回顧展を開催するほか、上海のギャラリー、バンクは、戦後、国際的に孤立した中国に欧米の文化を伝えたマダム・ソンとして知られるアーティスト宋怀桂(1937-2006)と、その夫でブルガリアのタペストリーアーティスト、マリン・ヴァルバノフ(1932-1989)を特集する。また、日本からはThe Third Gallery Ayaが参加し、自由美術家協会創立に携わり、河原温、細江英公らに影響を与えた画家、瑛九(1911-1960)を紹介する。
将来性のある作家を個展形式で紹介する「ステートメント」セクションは、今年18ギャラリーが出展する。おもな展示は、 アンゴラ・ルアンダのJahmek Contemporary Artによるアンゴラ人アーティスト、サンドラ・ポウルソンの《Safe to Visit》(2024)、ブエノスアイレスのギャラリーBarroによるアルゼンチン人アーティスト、ラ・チョーラ・ポブレテのマルチパーツインスタレーション、ウィーンのギャラリーFelix Gaudlitzによる、香港のアーティストで映画監督のティファニー・シアのビデオインスタレーション。同セクションに出品したアーティストの中から最大2名を選ぶ、第25回バロワーズ・アートアワードも開催する。受賞作家には賞金3万スイスフラン(約510万円)が贈られるほか、出資元であるスイスの保険会社バロワーズ・グループの援助により、作品がヨーロッパの美術館に寄贈される上、個展が開催される。
バーゼルの街を展示スペースにする「パルクール」セクションは、ニューヨークのスイス・インスティテュートのディレクター、ステファニー・ヘスラーがオーガナイズ。プレスリリースによると、今年はクララストラスにある店舗やライン川沿いにあるホテル・メリアンを会場に、「アーティスティックなイベントやショーケースを24時間継続して」繰り広げるという。
期間中は、バイエラー財団、バーゼル美術館、クンストハウス・バーゼランド、ティンゲリー美術館、ヴィトラ・シャウデポットなど市内各所でアートイベントが開催される。(翻訳:編集部)
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