クモとサソリの標本1500点を密輸? トルコ警察に拘束されたアメリカの学芸員が釈放される
5月13日、ニューヨークのアメリカ自然史博物館(AMNH)の同館のクモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ・コレクションの学芸員が、トルコ・イスタンブールからクモとサソリの標本を密輸しようとした疑いで拘束された。
5月13日、ニューヨークのアメリカ自然史博物館(AMNH)でクモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ・コレクションを担当する学芸員のロレンツォ・プレンディーニが、トルコ・イスタンブールからクモとサソリの標本を密輸しようとした疑いで拘束されたとABCニュースが報じた。プレンディーニは、トルコ政府から標本を国外に持ち出す許可を得ていたという。
プレンディーニはイスタンブール空港で警察に拘束された際、およそ1500匹の標本を所持していた。これらの種はトルコ固有種だった。
トルコのデミレン通信が公開したビデオ映像には、警官がプレンディーニの荷物を調べ、クモやサソリの死骸が詰まったビニール袋を取り出す様子が映っている。
プレンディーニによれば、地元の科学者との共同研究のためこれらの標本を国外に持ち出す許可をトルコ政府から得ていたというが、警察はこれを無視したという。
プレンディーニはAP通信の取材に対し、「警察はこの許可を完全に無視した上で、私の共同研究者と利害関係のある別の専門家の証言を信頼した。ちなみにこの専門家の科学的研究は非常に疑わしいものだ」と訴え、こう続けている。「警察は適正手続きに完全に違反している。彼らが世論の法廷で私を有罪にしたいのは明らかだ」
US版ARTnewsはAMNHにコメントを求めたが、現時点で同館からの回答はない。
BBCによれば、プレンディーニはトルコの裁判所に出廷し、一晩刑務所で過ごした後、無罪で釈放されたという。
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